Together -Creation- 11/27(月曜)






さて、誰もが行ったことがあると思われる旅行。
夏休みやゴールデンウィークには人が空港へ押し寄せる。
海外という俺には未知の場所へ旅立とうとする人々がズラズラと並んでいる。
さて、なぜ俺が空港なんかに居るのかって言うと
今は夏休み、なぜかハルヒと二人っきりで旅行だ…
それでは、二日前の話をしよう。



それは突然だった。
俺は自分の部屋で読書をしていると。
♪〜〜♪♪〜

携帯が鳴ったのでストラップを引っ張り手元に持ってきた。
どうやらハルヒからのようだ。

「どーした?こんな休日に」
『あんた、明後日暇よね?』
「まぁな」
『じゃぁちょっと付き合ってくれない?』
「買い物か何か、か?」
『ううん、実はね…』

ハルヒはとんでもなく周りくどい言い方をしたので俺がまとめよう。

ハルヒは昨日商店街に言ったところ買い物を終えて福引き券をもらったそうだ。
んで、その福引きをしたところ、ペア旅行券が当たったので一緒に来ない?という誘い
だ。

「なんで俺? 家族や女友達といけばいいじゃないか」
『家族は都合が悪くて行けないわ、それに女の二人旅だと何かと危ないでしょ?』

確かに、ハルヒは外見はかなりの美人だ。 危ないのはわかる。

「けど俺でいいのか?」
『うん、あんたが一番暇そうだからね』
「悪かったな…」
『感謝しなさいよ?旅行に連れてってあげるんだから』
「はいはい、で、場所は何処だ?」
『ハ・ワ・イ! 海外よ!海外!』

俺は脳内に巡る神経をフル活用した。
商店街も奮発したものだな… 福引きでハワイ旅行を入れるとは…
それにハワイって… 100%高校生二人で行くのはおかしいとおもうぞ?

「はぁ…」
『何よその溜め息…?』「いや、急すぎるだろう…」
『もしかして、行けない…?』
ハルヒらしくないな… いつもなら勝手に決定するくせに…
『今回はいつもと違うからね…』
「まぁいいさ、行ってやるよ」
『本当にっ!?』
「あぁ、買い物行かないとな…」
『私も付き添うわよ?』
「頼む」
『了解ッ』
「じゃあ後で」

電話を切りとりあえず親に事情を説明に







なんとかokを貰った俺は財布と携帯を持って駅前に


そこには既に黄色いリボンをつけた女性が立っていた。

「遅いわよっ!」
「ごめん、ごめん!」

集合時間より五分程遅れてきた俺。
罰金の準備をしていたが彼女の口からその単語が出なかった。

「罰金はいいのか…?」
「いいわよ、その代わり私の買い物も付き合いなさいよ?」
「わかった…」

まぁ二人分ぐらいなら出してやってもいいんだがな…
俺とハルヒは歩いて駅の近くの衣服店、雑貨屋、デパートなどへ行くことにした。

「そういえば、旅行は何泊するんだ?」
「えっと、確か3泊だったかな?」

3泊か… 結構な買い物になりそうだな…

「先に服を見にいきましょう!」と楽しそうなハルヒ
「そうだな、軽い物から買っていくか」

俺とハルヒが入ったのはハルヒのお気に入りの衣服店だった。
女性物が八割を占めている…

「どれにしよっかな〜♪」
「試着してみろよ」
「そっ、じゃあコレから!」

ハルヒが手に取ったのは薄いピンク色の服。
ぁー これは絶対似合うと思う…

「じゃあキョンは、まってて!」

ハルヒは試着室に入っていった。
うん、ちょっと楽しみ。
俺はコレも似合うだろうなと思う物を取っていき試着室の前にある椅子に座った。

カラッーーーとカーテンがめくれて中からハルヒが出てきた。

「どう?」

それは、それは、テレビに出ている女優やアイドルを普通に抜くぐらいの美女がそこには
居た。
俺はその姿を写真におさめたいほどだったが、さすがに変態とでも思われそうなので止め
た。

「なによ、その目… 似合ってない…?」
「いやっ、むしろかなり似合ってるぞ」
「ありがとっ!ところでその手に持ってる服は何?」

すっかり忘れるところだった…

「多分似合うと思うから着てみろ」

ハルヒに服を渡した。

「ふーん、こうゆうのが好きなの?」

まぁそうなんですけどね。
俺が渡したのは少々かわいさが出るような服に青いミニスカート。

「まっいいわ、着てあげるわよ」

ハルヒは再び試着室へ。
楽しみ… 久々に人の試着でそう思った…
相手は、美女。 それを自分の好きな服に着せ変えることが出来る…
男のロマンだな…

などと考えていると中からハルヒが出てきた。

「うんっ! キョン!結構いいセンスしてるじゃない!」

だろう?
試着をしたハルヒはさっきのより数段可愛い…

「またそんな目をしてる… いったい何考えてるのよ…」
「まぁ、なんだ… 見とれてた…のかな…?」

ハルヒが少し頬を染めた。

「褒めたって何も出ないわよ…?」
「そっか、それは残念だ」
「まぁいいわ、とりあえずコレは決定ね」

その後ハルヒの服を決めるのに40分ほどかかった。

「キョンは服どうするの?」
「俺?いちよう買うつもりでいるが、ココは女ものばかりだから後だな」
「? ここ二階が男ものよ?」

まぢか、まったく気づかなかった…

「見に行きましょっ!」



〜二階〜

どうやら本当のようだ。
下と比べると光と闇ほどの違いがある。

「キョンに似合いそうなやつー、どれっかっな〜♪」
「ハルヒ好みのやつでいいぞ?」
「そう? 私のセンスはいいわよ?」
「だから頼んだ」
「わかったわ」

ハルヒは早い足でタッタと服を三着ぐらい選んでいく。

「といあえず着てみて!」

ハルヒは俺に服を押しつけ試着室へと押していった。


なかなかセンスはいいな…
だが… 値が張りそうな物ばかりだ…

「なぁハルヒ… ちょっと高くないか…?」
「ぇ? 別に服代ぐらいなら出してあげるわよ?」

なっ、なんだってー!?
「まぢかよ…」
「あれ? 言ってなかったっけ? 福引きで商品券も当たった事」
「初耳だ…」
「まぁいいじゃないの♪ ほら、着替えなさい」
「お、おぅ」

カーテンを閉め試着室の中で一度、大きく深呼吸した。
気前がいいやつだな…
はっきし言って、かなり怖い。
後でなにかあるんじゃないだろうか… と…
だがハルヒのさっきの顔は、間違いなく本心からの笑顔だった。
考えすぎか…?
とりあえず着替えが終わったので外に出る。

「おわったぞー」
「うんっ、 かっこいいじゃん」
「そ、そうか?」 なんだか照れるな…
「キョンってさ… 元からけっこう… いや、やっぱいいや」
「? 何を言おうとしたんだ?」
「なんでもないわよ、ほら、さっさと済ませましょ」

俺はハルヒに促されるままに試着して、服を選んだ。

「本当にいいのか…?」
「え? なにが?」
「お金だよ」
「あー キョンは気にしなくていいのよ!」

レジに向かい値段を聞くとかなりの額だった。
しかしそれ以上にハルヒの財布には商品券みたいな物が入っていた。

「じゃあ次!どこ行く!?」
「大きめの鞄を買いたいんだが」
「いいわよ?」

その後、ハルヒによって俺は買い物を済ませた。

「じゃぁ今日はこれで解散しましょう」
「そうか、今日はありがとな」
「? お礼を言われることなんてしてないわよ?」
「いや、俺にはお礼じゃ足りないぐらいの貸しがハルヒに出来たよ」
「じゃあ、いづれかかえしてね?」と笑顔で。
「あぁ」
「じゃあ今日は帰るね」
「もう遅いし、付き添うよ」
「えっ? いいわよ別に…」
「だーめーだ、こんな夜遅くに女性を一人で帰らせるほど俺は人間出来てない」
「そ、そう? じゃあお願いするわ」
「謹んでお受けします」

その後、俺が紳士的態度をとってみたところ、ハルヒには結構利いたらしい。
帰り道、俺が荷物持ってやるよみたいな事をいったらハルヒはかなり動揺したような返事
を返してきた。


ハルヒの家に到着したのでそこで別れた。

さて、まだ一日の時間があるが、今日はゆっくる寝るとしよう…



―――――――――――――――――――――――

なんだろう… このドキドキ感…
キョンがいきなり態度を変えてからずっと止まらない…
なんだか… キョンが、かっこよく見えた…
いつもはマヌケ面なのに… 人って少し変わるだけでこうも印象かわるのかな…?
あたしも… たまには… 変えてみようかな…?
でも引かれたら嫌だしな…
キョンに少しでも好かれたい…

あれ? いつからこんな事を思ってたんだろう?
キョン… あなたは… やっぱり誰かに似過ぎてる。
でもあたしは、キョンが好きってわけじゃないのに…
なんだろう… この感じ…
胸の中の雲が晴れない…



キョンに合いたい…


――――――――――――――――――――――――

「ぶぅえっくしゅんっっ!」

くしゃみが出た…
何処かで俺の噂でもしているのだろう。
谷口あたりかな?
まぁいいや。

俺はとりあえず明日に準備をしようと 本日は早めに寝た。

「ぅえっきしゅんっっ!!」

風邪かな…?















翌日。

風邪かと心配したが体は軽いし気分は最高っ!
今日はいい日になりそうだな。

ブーブーブー。
携帯のバイブレターの音だ。
えっと。 ハルヒからのようだ。

「もしもし?」
『あっ、あのさ… 明日行くじゃない、それで買い忘れたものがあるんだけどさ…』
「付き合ってやるよ」
『本当?』
「嘘言ってどうする」
『じゃあ今から会える…?』
「あぁ」

集合場所を決めて電話を切った。

まぁ帰ってきてからでも準備は出来るか。



――――――――――――――――――――――――

よかった…
断られるかと思った…
買い忘れた物… それは、水着。
ハワイに行くんだもん。 泳がないとね!
キョンも新しいの買う… かな…?
見てみたいな…

あたしは既に集合場所へ到着している。
まだ集合15分前。
彼は来た。
「早いわね」
「まぁな、たまにはいいだろう?」
「いい心構えじゃない」
「それで、何を買い忘れたんだ?」
「水着よ、みずぎ!」
「ぁー」
「ハワイと言ったら海じゃない!泳がないとね!」
「俺も新しいやつに変えようかな…?」
「そうしなさい、あたしが出してあげるから」
「悪いな…」

嬉しかった。 キョンが少しづつあたしに頼ってくれる事が。
いつもはあたしが頼りっぱなしだけど、こっちもいい気持ちね。
キョンが、少しづつでもいいから… あたしを好きになってほしい。
もう、あたしはキョンの事が好きになっちゃった…
今はデートみたいな気分。
さすがに手は繋げない…
いつか… きっと… 繋げる日が来てほしい。

彼と… 一緒に…




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