「なんでこんなに寒いのよ!」

んなもん知らん。 冬だからじゃないのか?
「そんな事わかってるわよ! なんで冬が寒いのか聞いてんの!」

そんな無茶な・・・ 冬=寒いってのが基礎知識だろ?
それ以上追求しなくてもいいじゃないか。

「じゃぁ秋はどうなのよ! 基礎知識あるんでしょ!?」

ちょい寒?

「あっそ」

真面目に答えたつもりなんだがな。 まぁ別にいいさ。












「どうぞ、キョン君」
「あ、どうも」
朝比奈さんの温かーいお茶が運ばれてきた。

ズズズズズー・・・
心も体も温まるねこりゃ。
いくら金を出されようが譲る気は無いお茶だ。
「さすが朝比奈さんですね、とても美味しいです」
「そんな褒めても何も出ませんよ?」
エンジェルスマイルがとんできた・・・ うはぁ・・・




「みくるちゃん」
不機嫌そうな団長の声。
「え、あ、はい、なんでしょう?」
「おかわり頂戴」
「あ、はい」





「ふふふふ」
気色悪いな・・・ その笑い方どうにかしろ
「失礼、どう思いますか?」
「何がだ」
「涼宮さんの不機嫌な理由」
「知らん、寒さのせいだろ?」
「そうですか、もう一回朝比奈みくるを褒めればわかりますよ?」
「なんじゃそりゃ」
「ここまで言って気づきませんか?」
「何をだ」
「涼宮さんは嫉妬してるわけですよ」
「はぁ?」

「古泉君! ちょっと来て」
「なんでしょうか?」
「キョンは廊下に出て、みくるちゃんも有希も」
「なんでだよ・・・」

こんなクソ寒い中廊下に出されたら凍え死ぬぞ
「知らないわよ、勝手に死ねば?」
酷・・・







そんなわけで廊下にでた俺と朝比奈さんと長門。
長門は何も変わらずに読書し続けている。
「ふぇぇ・・・ 寒いですぅ・・・」
そのメイド服って見た目温かそうですけど・・・?
「そうなんですけど・・・ 寒いものは寒いんですっ」
そうですよね。 同感です。

それよりなぜ俺らは外に出されたんだ・・・?
なぜに古泉だけ中にいるんだ?
そうか、愛の告白か。

ハルヒが・・・? 古泉に・・・?
いや・・・ 考えれん・・・ 

でもそれ以外に二人っきりになる理由もわからん。
確かに古泉はイケメンだ、だからって・・・ ハルヒが?
アリエン以上に考えたくない。 考えれない、が正しいけど・・・



それより。



「長門」
「何」
「廊下の気温を上げれないか?」
「出来なくは無い」
「頼めるか?」
「任せて」

最初っから言っとけばよかった・・・
みるみる温かくなる廊下・・・
廊下とは思えないほど暖かい廊下。

「さすがだな、長門」
「別に」

まぁこれでこそ長門だ。
急に性格がハルヒ見たいになったら俺は頭を銃で撃ち抜くかもしれない。
「キョン君」
「なんですか?」
「わたしにも出来ることないですか!?」

なぜに急に・・・?

「特には無いですけど・・・」
「なにかありませんか!?」
「無いですけど?」
「そうですか・・・」

なぜか残念そうな顔をする朝比奈さん・・・
なんで・・・?



「皆、入っていいわよー」
団長の声だ。
やっと古泉と話が終わったのですか・・・

ガチャッ・・・

「外寒かったでしょ!みくるちゃん!」
いきなり朝比奈さんに抱きつくハルヒ・・・
「わたしが暖めてあげる!」




「すいませんちょっとよろしいですか?」
古泉がやって来た。
「なんだ」
「廊下に出てもらえます?」
「あぁ」





「おや、暖かいですね」
あぁ、それは長門にやってもらった。
「なるほど」
「で、なんだ?」
「先ほどの僕と涼宮さんの会話が気になるでしょう?」
「そりゃぁな、愛の告白でもされたか?」
「いえいえ、そんなものでは無いです」
だろうな。
「あなたの事です」
ハルヒと古泉で俺のことを話す意味がわからん。
俺も参加するべきじゃないのか?

「内容は、どうしたらあなたに褒められるのか」
ん〜っと、古泉? 何言ってんだ?
「簡単に言うとどのような行動をすればあなたに褒められるか」
結局のところ何が言いたいんだ?
「さっきも言ったと思いますが? 嫉妬している、と」
ぁぁー なるほどねー。 と簡単に理解出来るやつがいたら今すぐ電話してくれ。
そして俺に状況を100文字以内で古泉よりわかりやすく説明してくれ。
「鈍い人ですね、ただ単に褒められるだけではなくて、あなたに傍にいて欲しいということですよ?」
ハルヒが? バカ言え、お前の脳細胞はあれか? プランクトンで出来てんのか? 単細胞の。
「その言葉そっくりそのまま返しますよ」
バカにしてるんだな、よし、ここで一戦しようじゃないか。
乱闘だ、乱闘パーティーだ。
「今から、涼宮さんが何らかの行動をします」
くrのか?、赤い弾でも投げるか?
「素直にそれを褒めてあげてください」
ぁー、お前は人の話を聞かないんだな?

「キョンー、古泉君ー、何やってんのよー、寒いから早く入ってきなさいよ」

「頼みましたよ」
何を?





行ってしまった・・・
長門呪文の効力が切れてきているのか廊下の気温は一気に下がっていった。
寒いからな、もう中に入ろう。








「二人で何やってたのよ?」
「気にすんな、男同士の相談だ」
「そっ」

古泉、クスクス笑うな・・・


「男同士の相談ってどんな事するの?」
まーた・・・ どうでもいい事聞くよな・・・ こいつは・・・

「そうですね、どうしたら女の方に好かれるか、という事を聞かれました」
嘘つけ・・・ 嘘つけ・・・ 嘘つけ・・・

「ふーん、キョンはモテたいの?」
「まぁな」

男としてモテたいのは確実だ。
まぁ上手い事言ったな・・・古泉・・・。
「まぁ、あんたが一人になったら団長の責任として貰ってあげるから安心しなさい」
なんかとんでもない事言ったよな・・・ こいつ・・・
「誤解しないでよ? 責任だから、責任!」
何の責任ですか・・・?
「わたしもキョン君を貰ってあげますよ?」
横から意外な方からお声がかかった・・・
「・・・私も」
更に意外なことに長門からも声がかかった。






頭大丈夫ですか?
何かミス的な発言しすぎですよ? 皆さん。
ただの聞き間違いですよね?
「団長の責任!」
「じ、じゃぁ、その前に私がキョン君を貰います」
「ぇ、そ、そんなのずるいわよ! みくるちゃん!」
「・・・私が最初に」
「有希まで!?」
「涼宮さんは、誰もいなかったら、ですよね?」
なぜだか朝比奈さんが小悪魔に見えた。
「ぅっ・・・ 確かにそうだけど・・・」
「涼宮ハルヒは誰もいない場合と発言した。 よって私か朝比奈みくるに権限が来る」
「じ、じゃぁ前言撤回! わたしが貰う! 団長命令よ! キョンはわたしの物よ!」
「ふぇぇ・・・ そんなのずるいですよ涼宮さん・・・」
「ふふふん♪ もう駄目だからねー、みくるちゃん!有希!」
「・・・その命令というものはこの場所のみで発動する。 プライベートでは一切効力をもたない」
「そ、そうですよね長門さん! プライベートならいいんですよね!」
「だ、団長命令は全てにおいて効力をもつから、だ、駄目よ!」




ただ俺は唖然とその場に突っ立っていた。
なぁ、古泉  なんだこれ?
「言い争い? ですかね」
んな事わかってる。 ハルヒの褒めるところなんて一切無いじゃないか・・・
「おやおや」
おやおや、じゃねぇよ・・・


「キョン!」
団長さんが近づいてきた
「なんだよ」

ガバッ!

「す、涼宮さん・・・!? 抜け駆けですか!?」
「・・・よくない」
「ここでは団長だもんねー、だ! キョンはわたしの物よ!」
「離れろ・・・ 離れてくれ・・・ハルヒ・・・」
「だめよ、あんたにも団長命令、わたしの物になりなさい!」
マテや・・・ 人を物扱いするな、じゃなくて
「無理」
「な、なんでよ!」
「命令に従う気は無い」

すると朝比奈さんまでやってきた、あ・・・ 長門も・・・

ガバッ、ガバッ!

「ちょ、ちょっと何やってんのよ、みくるちゃんと有希!」
「いいじゃないですかぁ、一人占めはよくないですよ?」
「・・・みんなのもの」

長門まで俺を物扱いするか・・・
みんなのもの、って・・・


「だめ! わたしの物! 離れて!」
「き、キョン君は誰を選びますか?」
「・・・」

ぁー・・・ なんだこれ・・・
『助けてくれ』眼光を古泉に送ってみた。

首を横に振りやがった・・・

「誰なの!? キョン!」
「誰ですか? キョン君」
「・・・誰」

俺って・・・ 幸せ者って言っていいのか?
いや・・・ 運命を全て決める・・・ 選択・・・

「キョン!わたしよね!?」
「キョン君、わたしですよね?」
「・・・わたし」

んっと・・・
まず全員離れてくれ・・・

「離れたらその人選ぶの!?」

その一言で一斉に全員離れた。




なぁ、オイ・・・
女性三人・・・ 計画してやってんのか?

「二人とも諦めなさい、キョンはわたしと一番長くいるんだからわたしを選ぶから」
「キョン君はわたしを選んでくれます」
「・・・わたしを」

こりゃぁ計画してないな・・・

「わたしでしょ!? わたしならキョンの言うことなんでも聞くわよ!?」
「わたしもです」
「・・・同じく」


「全員後ろ向け」

ザッ! と軍隊のように一斉に後ろ向いた。

さて、鞄も持ったことだし

キキキキー、、、ガチャン・・・

「! キョン!?」
「もしかして・・・?」
「・・・逃げた」


全力で走って校舎を出た・・・
携帯にはcall,call,call

とんでもない一日だった・・・
なんだこれ・・・? 夢だよな・・・?


「♪〜♪〜」
メールが着た・・・

古泉か・・・

『涼宮さんがあなたを追いかけてます。 
朝比奈みくるは急いで着替えてる模様、
長門有希は高速移動を使用したようです』

「おぃおぃ・・・」

長門・・・ 高速移動って・・・

「・・・待って」
「ぬぉっ!?」

既に俺の前に長門は立っていた

「さっきのは何?」
「へ?」
「涼宮ハルヒも朝比奈みくるも本心で動いていた」
「だろうな」
「わたしはそれにつられて行動した」
「そうなのか?」
「確かにわたし固体はあなたに好意を抱いている」
「まぢか・・・」
「しかし、それは許されない」
「情報統合思念体か?」
「そう」
「だろうな」
「早く逃げることを勧める」
「へ?」
「涼宮ハルヒが残り42秒でここに到着する」
「そ、そうか」
「いい」
「ありがとな、長門! また明日!」
「・・・明日」

ビュウン! と長門は消え去った。 高速移動か・・・

それより逃げないとな・・・


























call.call.call


家に着いてから早速ハルヒから電話が着た。

取ったら最初に怒鳴られる確立100%・・・
やめとこ・・・





明日も学校か・・・  はぁ・・・
怒られるだろうな・・・          






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