call2



「キョーンー!!!」

んぁ・・・?
こんな朝っぱらから誰だよまったく・・・

「キョンったらー!」

聞き覚えのある・・・ 声・・・















「あれ、鍵開いてるじゃない」

あぁ・・・ 妹・・・ 鍵閉めてけよ・・・
本日、母親はお出かけ、なんでこんな朝っぱらから・・・?






「入るわよー」
入るな・・・  入るなぁぁぁあああ!!


ダッダッダダダダダッ!!   ガチャッ!!

「キョン、おはよう!」
「あ、あぁ・・・」
「何よ元気ないわね!」
「いや、普通」
「ほら、早く用意しなさいよ!」
用意しなさいってお前・・・
今日は確か学校は遅くからだろ?
何があるのかしらんが・・・
まだAM8;10・・・ 後二時間ちょいはあるぞ?

「朝ごはん作ってくるから待ってて!」

やっぱり聞いてねー。

てゆーか・・・
なんで家に来たんだよ・・・

「おね坊さんのキョン君を起こしにきてあげたのよ!」

おいおい・・・ 

「昨日のこと気にしてんのか・・・?」
ハルヒは一瞬足が止まった。
しかし振り返ってきて

「あたしの物はちゃんと自分で育てないとね!」

俺はお前の物になった覚えは無い。
「団長命令!」

言うと思ったよ・・・

「キョンは誰を選ぶの!? やっぱりわたしだよね!?」
「三人から選ぶ事は出来ない」
「なんでよ、他に好きな人いるの?」
「三人とも同じくらい好きだから」
ちょぃ恥かしいな。 うむ・・・


「んー・・・」
悩むようなハルヒ。
何を悩んでいるんだ?

「少しずつ・・・ でもいけるわね」
ボソッと呟いた。

「なんか言ったか?」
「べっつに!」

予想外な笑顔をするハルヒ。
ちょい打たれた・・・

「とりあえずわたしの物だからね?」
「なんでだよ」
「ブレイザーどこにある?」
「そこのタンスにあるだろ?」

バッとおもいっきりハルヒはタンスを開いた。
「あっ、あった」
「何する気だ?」

「内緒」












「じゃぁご飯作ってくるから!」

なんでハルヒが俺の朝飯を作るのか。
なんでハルヒが俺の家にいるのか。


タンスを開いて自分のブレイザーを調べてみた。
特に以上は見られない。 なんだ?























「キョンキョン!」
「ん?」
「着替えよっ!」
「あぁこんな時間か」

親がいなくてよかったな・・・


「ほら脱いで脱いで!」
「部屋から出てけ・・・」
「わたしの物なんだから自分でやらないとね」
「出てけ・・・」
「もう・・・ わかったわよ・・・」
残念そうな顔のハルヒだったが。

やっぱ・・・ なんかハルヒのギャップがありすぎる・・・







しかしブレイザーを着て異変に気づいた。
ポケットに何か入っている。
ハルヒがいない内に見てしまおうか。

『大好きなキョンへ
  わたしは、あんたの事が好きなんだからね?
   団長の心を射抜いたんだから責任取りなさいよ!?
    これが本当の恋って気づいたのはつい最近。 いや、昨日だったかな?
     みくるちゃんと有希があんたの事が好きってのは、なんとなく気づいてたけどあれ程なんてね・・・
      だから二人には悪いけど抜け駆けする事にしたの!
       あんたのせいだからね? 
        返事を待ってるわよ? いつでもいいからね?     byハルヒ』

まさか、な。
ハルヒ、やっぱお前どっかネジ外れてるんじゃないか?
まさかこんな手紙をわざわざポケットに入れるなんて・・・
まぁ女の子らしいといえば女の子らしいが・・・
答えどうしようかなぁ・・・









「キョーン! 行きましょ!」

手を引っ張られて学校に向かう俺。
「ハルヒ?」
「ん?なに?」
「お前そろそろオカシクなってきたんじゃないか?」
「失礼ね・・・ せっかく世話してあげてんのに」
「世話って・・・ もういいから離してくれ」
「いや・・・」
「え?」
「いや・・・」
「なんでだよ」
「じゃぁ三人の中から一人選んでよ!」
「なっ・・・」
「ほら、選べないでしょ!? わたしを選んで欲しいからこうしてるんじゃない!」

あんな手紙を渡すほどなんだもんな。
わかってる。
「なぁ」
「なに?」
「じゃぁ例えば俺がお前を選んだらどうする?」
「付き合う」

そんな素直に言われても・・・


「他の二人を選んだら?」
「絶対に許さない、引き剥がす・・・」
「最低だな、俺はそんな女は嫌いだ」
「もういいわよ・・・ じゃぁね」

ハルヒは俺の手を放って一人で歩き始めた。

「だけど俺はお前を選ぶ」

うむ・・・ 恥かしいな。

ハルヒがピタッ、と止まった。




「もう一回言って」

「俺はお前が好きだ」


ハルヒは振り返って満面の笑みで

「やっぱりね」

「は?」

「キョンはわたしを選ぶと思ってたわよ」

「なんで確信できるんだ?」

「わたしがあんたの事が大好きだから!」


大声で言ったのは言うまでも無い。
周りに北高のやつらが沢山いることが言うまでも無い。

「声でかい!」
俺は小声で怒鳴った。














後々聞いた話なんだが。

長門も朝比奈さんも古泉も計画していたらしい・・・

ちくしょうめ・・・ よく考えればわかることじゃないか・・・