Together -kurimuzon- 12/2(土曜)




「キョン! 大丈夫!? キョン、キョン!」


眩しいな・・・ 久々に日の光に当たったような気がする・・・

「あっ… よかった… キョン…」
「おはよう…」

なんでそんな泣きそうな顔してんだよ?
お前には似合わないぞ?ハルヒが泣くなんてありえない話だが、まぁ一度見てみてもいい
な。
少しぐらいなら可愛くなるぞ?


「うるさいっ! あんたのせいよ! それより本当に大丈夫なの!?」
「なにがだ? ただ寝てただけだろ?」

「え? もしかしてあんた… 気付いて無いの…?」
「だからなにが!?」

スチュワーデスさんが俺の横で何かやっている。ハルヒは片手で俺の額を押しつけて、も
う片手でガサゴソと鞄をあさって鏡を取りだし俺に突き出してきた。

「ほら、みてみなさいよ!」


な、なんじゃこりゃ…

「本当に気付かなかったの!?」
「あ、あぁ…」
痛みも毛程もない…



俺の額には深く長細く切った後が見える…
血はおさまってきているようだ…

「ハルヒ… なんだよこれ…?」
「私が知るわけないじゃない…」

スチュワーデスさんは最後に包帯を巻いてその場を去っていった。




「俺… 寝てただけだよな?」
「あんたは確かに寝たわ…」
「そっからは?」
「あんたが寝て…」
「寝て?」
「私の肩に頭を乗っけてきたから起こすのもわるいから… そのままにしといてあげたの
よ」

まぢか…

「で、あんたが呻き声をあげるから振り向いてみたら顔が血だらけだったのよ…」




ブーーッッ ブーーッッ

「バイブレター? キョンの携帯?」
「そのようだな」

どうやらメールのようだ。

「誰から〜?」
「えっと、送り主は、 ッッッッ!!!」

俺は即効で携帯を閉じた。


「どうしたのよ?」
「いや、なんだ… その… 広告メールだった」
「怪しいわね… 見せてみなさい?」
「まぢでただの広告メールだって!」
「じゃあ見ても大丈夫じゃない!」

広告メールなら堂々と見せるさ。
だが長門との約束だ。 見せるわけにはいかない。
しかも妙にこいつが必死になってる気がするのだが…?

「もしかして… 彼女…?」
「ん〜 かもな」
「かもなってなによ! あんた彼女がいるのね!? 誰!?」

ぁー 五月蠅いぞ。
乗客がこっち向いてる…
しかも変な誤解を招くからやめろよ…

「その携帯を見せれば黙ってあげるわよ」
「だーめーだ」
「まさかキョンに彼女がいたなんて… 信じらんない…」

なんで信じらんないんだよ…
別に夫の浮気現場でもないんだし…

ん? 夫? いや別にハルヒと付き合ってるわけでもないぞ?
しかしハルヒが「付き合ってください!」などとゆう発言をしたのならどっかで隕石でも
墜ちるだろう。
しかしそのような青春の1ページをハルヒが送るなら俺は心から応援しよう
相手が谷口や国木田でもな。
いや、もしこの二人がハルヒの隣りにいたら嫌だな…
最低でも古泉ぐらいか?
いやムカツクな。
別にハルヒの事が好きなわけでもないがここまで一緒にいたりするならさすがに情とゆう
ものがある。
ハルヒの親のような気分になってきたぞ…

「ちょっと!なにニヤけてんのよ!?」
「ハルヒが… ククッ… お前とこうゆうふうに… クククッ…」
「ちょっと! なに笑ってんのよ!」
「おもしろい… ハハッ…」
「なにがよ!?」
「ハルヒとこうゆうふうに話てるのがな… まぁいつまでも続くものでもないからな今の
うちに楽しんでるんだよ」
「は〜? なによそれ、いつでも話ぐらい出来るじゃない」
「いつまでも… か…」






夢の中で言っていた
『あなたを消す』
とゆう台詞がどうも気になる…
もし消えるのならハルヒと話せなくなるしな…
まぁ消えるなんてありえない話だがな。


だが… ハルヒと急に会話が無くなれば…
そりゃ寂しいよな…







「なによその目… ホントマヌケ面ね」
「あぁそうだな」
「へ? あんた本当に大丈夫? ちょっと頭がおかしくなったんじゃない?」
「そうかもな」
「熱でもあるの?」

ハルヒは俺のデコに手を当てた。
温かいな… こいつの手。
だが包帯が邪魔だ… 少ししか温もりが感じられない…


「熱は無いようね。 あんた、もしかしてただ甘えたいだけ?」
もしかしたらそうなのかもな…
「違うわ」
「ふーん、まぁいいわ」

どうやらメールの事は忘れてくれたらしい。
だが俺の携帯はチカチカと青い光が点滅している。

「ちょっとトイレいってくる」
「そっ、早く帰ってきなさいよ?」
「あぁ」


俺はトイレに向かう途中に携帯を開いてさっき着たメールを開いた。


なんだ? メールには文字が書いてある…

「次は、彼女の番」

彼女? 誰だ? 番ってどうゆう意味だ?
彼女ー 彼女ー もしかして…



―――――――――――――――ハルヒ?

可能性はある、だがさっきの夢のやつの口調からしてハルヒを守る側と考えれる…
いや、まさかな…



俺は勢いよくトイレから出て席に戻った。


「ただいまーっと、 あれ?」

ハルヒはスヤスヤと寝ている。

まぁ起こすのもなんだしな…
このままにしておこう。

そうだ、寝顔でも撮っておこう、いつか使えるかもしれない。
何に? 弱味かな? まぁこんな可愛い寝顔を撮っても意味が無いような気がするが…
まぁ記念だ。



「パシャッ」

俺は携帯でハルヒの寝顔を一枚だけ撮りアーカイブの中の中のファイルにパスワードをか
けて保存した。
ここまでしなくてもいいんだがな…
念のためだ、念のため。












しかし俺は… 健康な高校生だ…
隣りにいる眠る美女がどうも気になる…
こんな無防備な状態で… まったく…
ミニスカートを履いてきたくせに股全開だよ…まったく…
まぁ前が席で隠れているからなんともないが…

「…キョン…」
「ん?」

ハルヒの方を見てみたがどうやら寝言のようだ。
俺が夢に出てんのか? どうせハルヒにこきつかわされてるんだろうに…
頑張れよ、夢の俺



「んん… あぁ…」

どうやら悪い夢らしいな…

「んあっっ!!」
ハルヒが起きたとたんに勢いよく頭を椅子から離して前の席に激突…
鈍い音がしてハルヒは頭を押えていたがっている…

「大丈夫か…?」
「キョン!?」
「そうだが、っっ!」

ハルヒがなぜか抱き付いてきた…
なぜ? 抱き付く理由を教えてくれ。
別に拒みはしないが… なぁ…


「よかったぁ… 夢なんだ… キョン… キョン…」
「大丈夫…? すごい汗だが…」

ハルヒはハッとした顔をして俺から離れた。
なんなんだよいったい…

「な、… 私に抱き付くなんていい度胸してるじゃない…」

逆だろ!? リバース!
わけがわからんぞ!
俺が抱き付く=彼女 とゆう方程式が俺の頭にはある! だから彼女意外に抱き付く理由
は無い!

「証拠は…?」

お前の焦りっぷりと、その紅蓮にそまった頬かな
ハルヒは驚いたような顔をして頬に手を当ててる。

「こ、これはただ… そうよ!ただ暑いだけよ!」
「まぁんなことはどーでもいい」
「よくないわよ!」
「どんな夢みてたんだ?」
「夢…? あ、そうだよね。 忘れないうちに話しておくわ」















またなんっつう夢だ…
多分俺がみたら精神力が保たないだろうな。
唯我独尊の力を持ってすらこれだ。
ん〜 そうだな… 俺は…

なんてどうでもいい。
この三日間をどうやって過ごすか、それが問題だ。


正夢じゃありませんように…