あなたのファイル 12/27


「こらーーーーっ!! 勝手に使うなー!」

俺は団長席で唯一部室内でいい動きをするパソコンを使っていた。
いや・・・ 部室に入ってきて早々その発言ですか・・・

「うるさい! あんた勝手にファイルとか開いてないでしょうね!?」
「別に困るもんでも入ってるわけじゃないんだろ?」
「そ、、、そうだけど・・・ だめよ!」
なんか一瞬詰りませんでしたか?

ズンズンと近寄るハルヒ。
ハルヒが来るまでにデスクトップ画面に戻してありったけのファイルを開いた。
何があるんだ!? いったい何が!

ん? ちょい待て、なんだこ、、、
「キョン! あんた何やってんのよ!!!」

ハルヒが画面を隠すように俺の前に立った。
「あんた・・・ 次勝手に使ったら死刑だからね・・・」
「あ、あぁ・・・」
「まさか見てないでしょうね・・・?」
「す、すまんが・・・」

ハルヒの表情が一気に曇った。

「バカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

そういい残すと部室から飛び出すように出て行った。
いや、ファイル名を見ただけで何も・・・


「あなたもとんでもない人ですね・・・」
いつものスマイルが消えた古泉
「キョン君・・・ 酷いです・・・」
何か俺を非難する朝比奈さん
「・・・最低」
いつも通りの長門

それぞれが俺を淵へ追いやる・・・
何したって言うんだあぁぁぁぁぁぁぁ!!!
















とりあえず・・・

パソコンの検索画面を開いてそこにファイル名を打ち込んだ。
『kyon』と。

















『一件のフォルダが確認されました』

間違えなく『kyon』とゆう名のフォルダ。

「見ないほうがいい」
横から長門がやってきた。
「なぜだ」
「あなたの生活に支障が出る」
そこまで重要な事なのか・・・?


とりあえず止めておこう・・・
「閉鎖空間は出てないのか?」
出ているだろうな・・・ あんなに怒鳴って部屋を出て行ったんだ。
しかしすかしたスマイルは
「閉鎖空間は今のところ確認出来ません」
「え・・・?」
「あなたもそろそろ気づくべきだと思いますが・・・」
何をだよ・・・
「キョン君・・・ もう少し涼宮さんの事を考えてください」
朝比奈さんまで・・・?
「・・・鈍感」
鈍感ってオイ・・・



「探してくる!」
勢いよく部室を飛び出した。

てゆーか、閉鎖空間出てないってどうゆう事だよ・・・
怒ってんじゃないのか? ハルヒ。








教室。
やっぱりここか。

ガラガラガラ

ハルヒは気づいたようでパッと振り向いた。
「ハル、、、」
「見たんでしょ?」
「何を?」
「あんたのファイル」
「確かにファイルは見た」
「ならもう隠すこと無いわ、わたしは、あんたのことが好き」

信じられない発言が飛び出した・・・
無論ハルヒの顔は赤いわけだが
ハルヒは俺の事が好き?
何かの間違いだろう、うん・・・ そうに違いない。

「ハルヒ」
「なによ」
「今自分の言ったことわかってるか? 告白と受け取っていいのか?」
「そ、そうよ」
ハルヒはそっぽ向いてしまった。
考える時間をくれ・・・ んっと・・・

「ハルヒ、正直に言う」
「なに?」
「俺のファイルは見たけど中身は見てない」

するとハルヒが驚いた表情で俺に振り向いた
「嘘・・・ え・・・ えぇええ!?」
「嘘じゃないって・・・ だから中身が何か知らない・・・」
「コォノ バカキョン!!!!!」
バカ言うな・・・
「あ、あんた、、、わたしに何言わせたかわかってんの!!!?」
「十分・・・に・・・」
「ばかぁあああああああ!!!」
本日二度目のハルヒの怒鳴り。
















さて、告白を返してない俺なのだが・・・
あれから二日経った。
本日は市内探索。

予想していた通りメンバーは俺とハルヒ、他三人だった。











「で、どうすんのよ」
「ん?」
「付き合ってくれるの? くれないの?」


俺はあれから再びハルヒが部室に来る前に『kyon』ファイルを開いてみた。
中には俺の画像+ハルヒが書いたようなメモ帳。
いつ撮ったの!? って感じの写真ばかりだった。
さすがにメモ帳は見ることができなかった・・・

「いいけど?」
「なら今日から彼氏と彼女よね?」
「まぁそうなるな」

するとハルヒは俺の片手を取った。
「こっちの方が雰囲気でるでしょ?」
「それよりハルヒ」
「なに?」
「俺のファイルのメモ帳にはなんて書いてあるんだ?」
「見てないの?」
「さすがに見る気がしなかったからな・・・」
「ふーん、まぁ隠すことでもないしいいけど」

実際気になるんだな・・・ うん・・・

「あんたへの告白文よ、何かいいのが無いかって迷ってたの」

以外だった。
ハルヒなら一言で済ませそうなのに回りくどく告白文?
コイツらしくない上にあまりにも一般女子すぎる。

「わたしが一般女子じゃないって言いたいの?」
「いや、そうゆうわけじゃなくて・・・」

まぁ、晴れて俺にも恋人が出来たわけだが。
まさかハルヒが相手だなんて想像もつかなかった・・・
まぁいいさ。
これから少しずつお前のことを好きになってやるよ。


団長さん。