涼宮ハルヒの分身




新学期も過ぎ、もう5月、 SOS団を立ち上げてからちょうど丸一年、
あいもかわらずわが席の後ろを陣取る小型神様(古泉談) こと涼宮ハルヒは一年周期で
太陽の周りを回る地球のごとくモチベーションが変わるらしく一年前、
つまり俺と出合った時と同じく超をつけてもかまわないほどの不機嫌真っ只中なのだ。 後ろから授業中・休み時間と絶え間なく 「退屈オーラ」をあび続けないといけない俺の身にもなってみろってんだまったく…
早くなんとかしろ古泉、おまえはハルヒの暇潰し係たんとうだろうが とはいうもののハルヒも一年間で成長したらしく
その退屈さを表情に出すまいと努力しているらしい。 いるらしいというのは俺はさらに一年前とは違う、
なにせ長門の表情を見きわめられる様になったのだから少しの事なら相手の顔を見りゃわ かる。
…この一年間で変な特技を覚えちまったな… 話を戻して、ハルヒは俺が気づいていないと思っている。(古泉談)
無理だ。 俺じゃなくても解る、 なんせ努力してんのは顔だけで事ある事に無意識か 「退屈ねぇ」といいやがる、
気づくなっつーほうが難しい。 そろそろ何か俺の疲れる事が起こるやもしれんと思っていた。
…まさか本当に起こるとは思ってもいなかった… ゴメン嘘をついた、思いたくもなかった…

放課後、SOS団本拠地、
通称文芸部室で奇跡のようなお茶をいそいそと淹れてくださるのは
俺の精神ポイントをも完全回復してくれる
これまた奇跡としか言い様の無い愛くるしさを持つ上級生、朝比奈みくるさんだ、
というか朝比奈さんは今年で(設定上かも知れないけど)
3年生のはずだこんなとこに居ていいのだろうか?
 ひまなので久しぶりに古泉のゲームに付き合ってやる。
どうせ俺の完勝であろう、こいつも変わらないからな。少しは学習しるってんだ。
 そして朝比奈さんとは別の意味で俺の精神をいるだけで安定しさせてくれる
部屋の片隅を占領している宇宙人っ娘もとい長門有希は図書館で借りてきたのであろう本

膝の高さまで積みあげて現在進行形で読書中だ。
いつもどおりの長門を見て異変は無いんだな と安心するのである。
 こういう時間を静かに過ごしていたいのだが
今までのパターンからして勢いよくドアが開き、まいどまいど面倒ごとを持ってくるん
だ。
今回もきっと…
ガチャ
「………………。」
 妙に明るい時も俺が疲れる仕組みだがこういう
バッドステータス状態時のハルヒは俺はもちろんSOS団全員、
最悪世界まで巻き込むといっても大げさじゃないというのだから困る、
誰だ?こんなやつに神様モドキの力を与えたのは。
まぁ去年の12月の事の様にみんながいなくならない
かぎりほとんどの事は解決できるがな。
唯一願うのは灰色空間に二人っきりっつーのは二度と勘弁だな。
 不機嫌そうにネットサーフィンをする団長様を横目に古泉の相手へ戻る。
唯一気がかりなのは途中2、3回古泉がけいたいの着信音とともに席を立ったことだ。
大丈夫なのか?行かなくて…
バンッ!!
うわぅっビックリした
急に机を叩くなハルヒ
「ごめんみんな私帰るわ、用事があるの忘れてた。」
そんなことを言いつつドアに手をかけるハルヒ
「ああ、皆はそのままいてもいいわよ有希にカギ私といたから。じゃ」
バタン
めずらしいなハルヒがあんな嘘つくなんて
そういやちょうどハルヒが居なくなったんだから聞くが
古泉、あのけいたいの内容はいいのか?
「ええ内容はあなたの想像している通りの内容です。今の所はなんとかなっているようで
すが…
あまり状況は芳しくないようですね。僕もこの後行こうとおもっています。」
?このあと?なにがあるんだ?
「とりあえず緊急対策会議ですかね。」
対ハルヒ用緊急対策会議か…?
「現在涼宮さんの精神状態が不安定になって来ています
おそらく1年間を通して異端者への遭遇が無かったり、
あるいは遭遇したと思ったら夢だったりといったことを
1年間を振り返った時に思い出し、そういう者に合いたいという
気持ちになっているのではないでしょか?」
「現在の涼宮ハルヒの精神状態と照らし合せた結果私、朝比奈みくる、古泉一樹
またはそれの同属者の能力が涼宮ハルヒの力により偶発的にばれる、
もしくは今上げた者以外の者がさらに出てくる可能性もある。
その可能性は今も増加中。現在は70%の確率で異変が起こると予測される。」
%で表せるのかよ、しかも以外に高いな
というかさっきからなにも言わない朝比奈さんはどうしたことか、
まあ朝比奈さん(大)が情報止めてんだからしょうがないか。
んで長門、今何かすべきことはあるのか?
「現段階では何も出来ない、
どちらにしても異変が起きてから対処する方が効率がいい。」
と、ここで古泉のけいたいが鳴る
「すみません自分から言い出しといて言うのもあれなのですが涼宮さんが
この部屋を出てから閉鎖空間の拡大が加速したようなのでそろそろ行かないと
本格的にやばいそうなのでお先に失礼します。」
まあこれ以上話すことも無いしこれでお開きだな。
ということでそれぞれ帰宅する。
明日は異変がありませんようにっ…