Under night sky 11/26(日曜)





人間はどうしても甘えたい時ってのがある。
家族、友達やその他に。
それがどんな対象だったとしても相手から見れば自分に気があるんじゃないか、と思って
しまうのはごく普通の事だ。

だが甘える相手は選んだ方がいいぞ、家族は止めといた方がいい。
高一になってまで親に甘えたがる野郎は間違いなくファザコンorマザコンだろう。
男の友達なら「お前大丈夫か?」などと笑い話で終わるかもしれない。
だから相手はなるべく信頼関係を少しでも持っている女性が狙いだろう。
もし、よい展開なら付き合える可能性もある、または、信頼関係が深まるかもしれない。
まぁ、こんな話は彼女の前ではどーでもいい話になるだろう。
話てやっても悪くないが、話す意味がない。
世間話?噂?常識? そんなものを無効化する彼女、「涼宮ハルヒ」は、また今日も暇そ
うに窓から外を見ていた。

さて、こんな事話しているうちに既に550文字を超えているのだが、そんなもの知らん。
じゃあそろそろ本題といこう。
ついでに言っとくがさっきの甘えるなどという事はただの戯言にでもしといてくれよ?
なぁハルヒ。












いつも通りの授業。
その授業をまぢめに聞く奴(少数)
既に睡眠しているやつ。
俺も寝そうなんだがな…
最近はテストもあまりよい点がとれず不安になってきた俺だが、俺には最強の助っ人がい
る。
涼宮ハルヒだ。(現在、熟睡中)
なんとかハルヒのおかけで赤点は逃れた俺なんだが、最近になって問題が難しくなってき
た。
家で参考書をパラパラめくってもまったく意味がわからない。
そうだ、ココでハルヒに教えてもらおうという甘える心が出たらだめなんだ。
自力でなんとかしよう。
そう心に誓う俺は放課後はハルヒに補習してもらってる。
俺の心は折れやすいのだ!

「そうかっ、ありがとう」
「別に、こんくらいならいつでもやってあげるわよ」

こうゆう優しい一面をいつも出しとけばいいのに…
もったいない…

「何よ、その目…」と俺を睨みつけるハルヒ
「なんでもないよ」

ハルヒは最近、髪が伸びてきたような気がする。
いまならポニーテールにしたら可愛いかもな。

「あんたに可愛いなんて思われても得がないわ…」と何気に頬が少し赤くなってる
「そうかい、まっ好きにしてくれ」

で、俺は尿を出しにトイレへ。

また部室に戻って来た。
団長席には黄色いリボンをつけたポニーテールの女性が居た。

「ポニーテール…か…」
「あんたはこれがいいんでしょ? かわいい団員の頼みだもの、聞いてあげないとね」
「そうかい、ありがとな」 

正直めちゃくちゃ似合ってるし可愛い…
後少し、すこーしだけ髪が欲しいところだけどな。
俺は得にやる事も無いので椅子に座ったまま寝てしまった。
長門… その本の名前… いように長くないか…?



――――――――――――――――――

ポニーテールにしたけどなんだかキョンの反応がイマイチだった…
どうしてかな? やっぱりもうちょっと髪が長かった方がよかったかしら?
有希が本を閉じた。

「みんなは先に帰ってて、私はこいつを起こしてから帰るから」
「そうですか、でわ先に失礼します」と古泉君が言って帰っていった。





キョン… いつまで寝てる気なのかしら…?

時計はすでに7時を回ってる…
でも起こすのは気の毒だよね…
あっそうだ、寝顔でも写真を撮っとこっと
そう閃いた私はキョンの顔を一枚撮った。
あれ?なんだろう?
キョンの肩らへんに何か引き寄せられるような気がする…
私はキョンの首に両手を回して持たれかかるようにして眠ってしまった…

――――――――――――――――――――

ん? なんだか肩が重い…
なにかに取り付かれたか!?
だがチラッと視界には黄色いリボンが見えた。
ハルヒか…
スースーと寝息ち立てている。
なんだかいい気分だな…
別にハルヒが乗っかってるからってわけじゃないが、なんとなく…だ…

俺は体を軽く揺さぶってみた。

「んぁー? う、うぅーっ!」
「おはよう、ハルヒ」
「あれ?キョン? おはよう」
「ほら、外はこんなにも暗いしとっとと帰るぞ!」
「あっ、うん。 支度するからまってて…」

待つ事数分。

「いいわよ、さっ帰りましょ」
「なぁハルヒ」
「何?」
「ちょって行きたい場所があるんだが一緒に来てくれないか?」
「どうして?」
「じゃぁ、団員の頼みとして」
「んー それじゃあしょうがないわね、いいわよ!」
「ありがとうな」

俺はハルヒといつもと違う道を通っていった。
ハルヒは何かもじもじとしている。
俺は片手に鞄を持ち、もう片方の手は空中で踊っている。
ハルヒはそっと俺に近付いて俺の手を取った。
最初はドキッとしたが別に拒む必要は無い。
最初に言っただろう?
人間誰でも甘えたい時がある、と…
今はハルヒも俺もその状態なのかもしれない。

「ね、ねぇ、ちょっとキョン…?」
「どうした?」
「い、いったい何がしたい…の…?」
「どうゆう意味だ?」
「だって…」

俺たちが通っている道、ハルヒが指さす方向にはラブホがズラズラと並んでいる…

「もしかして… やりたい…の…」と頬を真っ赤にしてハルヒが
「違うっ!誤解するなよ!?」
「正直に言ったら私は…別に…いいわよ…?」
「違うって! この道を通るのが一番早いんだ!」
「どこいく気なのよ…? 違うラブホ…?」
「じゃぁいいって言うまで目閉じてろ!ちゃんと導いてやるから!」
「うん… じゃあ…」

ハルヒは俺の腕を持ってハルヒの腰に回した

「これで安心…するわ…」
「えらく信用されたものだな… 俺も…」
「キョンならいいわよ… ラブホに入ってもいいわよ…?」
「もうその事は忘れろ」
「う、うん… 我慢しなくても…いい…からね…?」
「はいはい、またいづれかな」
「えっち…」
「うるさいっ」

俺は目を瞑るハルヒを引っ張って目的地に着いた。

「そろそろ目を開けてもいいぞ」
「わかったわ…」

ハルヒがゆっくりと目を開けた。

「す、すごい…」と驚くような声のハルヒ

「今日がなんの日か覚えてるか?」
「今日? えっと…」
「俺とハルヒが付き合い始めた日!」

そうだ、俺とハルヒは一年前に付き合い始めている。

「それにしても… 本当に綺麗…」
「そうだな…」

俺たちの目の前にはこの辺じゃ決して見る事の出来ない星空。

「ハルヒ、この一年間どうだった?」
「楽しかったよ? すっごく」
「そりゃよかった」
「キョンはどうなの?」
「ん? 俺? 最高だよ、ハルヒが俺の事を愛してくれるだけで俺は満足だ」
「愛してるわよ、キョン…」
「俺もだ、ハルヒ…これからもよろしくな… ずっと、永遠に…」
「うんっ、絶対だよ? 約束だよ?」

彼女の頬には大きな涙が見える。

「あぁ、約束だ、絶対にな…」

必死にその涙を拭こうとする彼女の姿は、あまりにも星空と合っており、今直ぐにでも抱
き締めたい程であった。

「うぅ… キョン… んー… うぅ… キョン…」

俺は気付いた頃には彼女を抱き締めていた。

「ハルヒ… いつまでも一緒だぞ…」
「当たり前よ…」

そして俺とハルヒは唇を重ねた… 
何回も… 何回も…

「キョン… はぁ… キョン… ぁ… キョン…」
「ハルヒ…」

やっと離した時にはハルヒの口の中には俺とハルヒの混ざり合った唾液でいっぱいになっ
ていた…
「そろそろ帰るか」
「うん…」

帰り道は、再びラブホ通りを渡って行くことに。

「キョン、やりたいならやってあげるわよ…?」
「やりませんっ」
「いくじなし…」

俺には守りたい人がいる。
俺には愛したい人がいる。
俺には約束した人がいる。
限りある道を、限界まで共に行こうと。
限界を超えても、永遠に。






だから。

俺は。

ハルヒを。