Santa of Ten Thousand  12/4(月曜)








「メリークリスマスイブ」などと叫ぶ妹を適当にあしらって学校に行く事にした。


そう、今日はクリスマスイブだ。






教室に着くとやはりハルヒは既に席に座っている。


俺が席に座るのを見て

「ねぇねぇ、今日SOS団でパーティやろうと思うんだけど」
「いいんじゃないか? イブだしな」
「じゃぁ今日は緊急ミーティングね、遅れたら死刑だからっ」

毎度毎度こいつは死刑言っているが
こいつの言う死刑はなんなんだろうか。
永遠に奴隷とかは死刑に近いな。

「ハルヒ」
「なによ?」
「お前の言う死刑って具体的にどんな事するんだ?」

こんなことを聞く俺もどうかと思うんだけど
超有名芸能人に死に方教えてください、などと言っている気持ちになってきた…

「教えて上げてもいいけど聞いたら死刑ね」

またよくわからん発言だがな…
つまりそれを聞いたらそれをやらないといけないって事か?

「そうよ?」

こんなことで死ぬのはごめんだ。

「賢明な判断ね」












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時は経ち放課後





既に俺は部室に入っている
誰も来ていない… 長門すらも…
皆揃いも揃って掃除当番か?
う〜ん
長門の掃除してる姿…
なんか高速で口動かしてゴミ集めてそうだな…

喉乾いたな… 朝比奈さんのお茶が待ち遠しい。


朝比奈さんの掃除姿も想像してみた。
家庭的だな。 箒を両手で持ちせっせと動いている。
多分ものすごく、か、、、


「キョンいるーーーーーー!?」

「いますが何か?」
「早く帰る支度しなさい!」
「はぁ? 緊急ミーティングは?」
「中止よっ! 今日はみくるちゃんも有希も古泉君も団活は欠席するってさ」
「じゃあパーティは中止か?」
「何いってんの? 二人でもやるわよ?」
「悲しいパーティだな…」
「えっ… じ、じゃぁ、あたしが盛り上げてあげるわよ!」
「まぁいいや、今からやるのか?」
「とりあえず買い物!」






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近くのデパート


ハルヒはなにやらパーティグッツを大量に買い占めてレジまで向かった。
何を買ったかは俺は知らない。
なんせベンチで炭酸飲料を飲んでたしな。

「ほら〜 キョン! 次食品売り場へ行くわよ〜!」

ハルヒは大きなビニール袋を両手に俺を呼んだ。
さすがに男として

「ほら、その袋貸せ」
「へ?」
「だから持ってやるから貸せって!」
「あ、うん、ありがと」

別に礼を言われる事なんぞしてないがな。
俺はハルヒから大きなビニール袋を両手に取りハルヒの後ろを付いていく。





食品売り場

またしても俺はベンチに座って近くに売ってたみたらし団子を口に入れていた。
甘い、ものすごく甘い…
この団子は砂糖で出来てるんじゃないかってぐらい甘い。

全ての団子を口に入れてもまだハルヒは帰ってこないのでお萩も買った

甘い、甘すぎる…







ハルヒが三つも袋をぶら下げて戻ってきた…
五つか…

「ほら貸せよ…」
「さすがに重いんじゃない?」
「いいから… 早くしてくれ…」
「なんか今日のキョンは変よ?」
「普通だろ」
「なんか無駄に優しいとゆうか…」

なんだよ、俺の気遣いは無駄だったのか…

「ち、違うわよ。 でもちょっとだけ見直したわ」
「そうかい」
「じゃあ荷物運びよろしくっ!」

ハルヒは俺に三つの袋を渡した。
うぅおっ、重い!

「やっぱ少し持つわよ?」
「いや、いい。 それより早く帰ろう…」
「あっ、待って。 みたらし団子とお萩も買ってくわ! キョンはいる?」


心からご遠慮させてもらいます。













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帰り道、ついに限界がきた俺は一度倒れた。 情けないな…

ハルヒは大慌てでこちらに向かってきて俺に
「無茶しないでよ… 団員がケガしたら団長の責任なんだからね?」
ハルヒは俺の頭を軽く叩いてパーティグッツが入った二つの袋を持って歩き出した。
ハルヒの表情がもの凄く可愛かった…
俺にもこうゆう一面を見してくれるんだな…

ハルヒは遠くから
「こらーーーっ! 早くしないと置いてくわよーーーー!」 と叫んでいる。

俺は重い腰を上げて再び歩き始めた。



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ハルヒ宅にて

「あれ? 親は不在か?」
「何言ってんの? 一人暮らしよ?」

初耳だぞ、オイ
しかも普通の立派な一件家に女子高校生が一人暮らしなんて…

「早く言えばいつでも来てやったのに…」
「えっ…?」
「いや、なんでもない」
「そ、そう?」

ハルヒは何故か後悔したような表情で台所へと向かって行った。



「ちょっとキョンも手伝って!」
「ん? あぁ」



夜飯作り
ハルヒは見事な腕前で次々と料理を作って行く。
俺はというと
横で皮剥いたり、皮剥いたり、皮剥いたりしてる。
誰だ今役に立って無いとか言った奴。




「よっし完成っ!」

どうやら出来たようだ。
それを見て俺はかなら驚く。
値段を付けられないほど旨そうな料理がズラズラと並んでいる。
いい匂いだ…

「どうよ?あたしの腕前は!?」
「最高だな」

今俺の妻にしたい人ランキングをハルヒがグイグイと上げてくる。

「なにわけわかんない事言ってんのよ、ほら食べましょう」

「「いただきます」」






それはそれはとんでもなく旨い食べ物でした。
俺じゃあ値段は付けられない
それよりも本当に俺が食べていいものだったのかってくらい旨かった。



「ハルヒ」
「んん?」
「最高だよ」
「なにがよ、料理?」
「今の時間がな…」
「感謝しなさいよー? あたしが全力で作った料理が食べられたんだから!」

あぁ、感謝してるさ。
言葉に出来ない程にな。




「じゃぁこっからメインイベントね!」


メインイベント? なんだそれ?
俺的に料理食っただけで満足なんだが。

「とりあえず向こうの部屋でこれに着替えて!」

俺はハルヒから渡された紙袋を持って指示された部屋に向かうことに。

ガチャッ と扉を閉めて袋の中を確認してみた

「なんじゃこりゃ・・・」

なかに入っていたのは真っ赤な服装、真っ赤な帽子、真っ赤なズボン
いわゆるサンタクロースの服装だ。
なぜ俺がサンタ・・・?  俺にコスプレの趣味は無い。

とりあえず着替えることに。
わりと着心地は良い。 なかもふわふわしててきもちいい。

さてサンタとゆうからにはヒゲがあるものかと思ったが入っていない。
その代わりサンタの袋っぽい袋が入ってる。
中には綿でも入っているのか膨らんでいる。
とりあえず出よう。 でハルヒに意味を聞こう。


「おい、ハルヒ、なんだこれ?」
「サンタクロースに決まってるじゃない」
「そんなことはわかってる、なんで俺がサンタなんだ?」
「う、うん・・・  男だもんね、女がサンタって変じゃない!」

変じゃないと思うが・・・ 逆にそれはそれで可愛いかもしれないし・・・

「何変なこと考えてんのよ、ほら」

ハルヒは手を差し伸べた

「なんだよ? 手でも握れってか?」


ハルヒは大きく溜息を吐いてから



「プレゼントよ、プレゼントッ!」





しまった… 忘れてた…
さっきデパートで買おうと思ってたがすっかり頭から消えていた…
どうするよ…
ハルヒの瞳はとにかく輝いていた
そんな表情で見ないでくれ… 罪悪感が…


「もしかして… はさすがに無いわよね…?」

もしかして、なんですがね…
なんて言い訳すれば…
言い訳より謝るべきか…?

もしここでハルヒの期待を裏切るような発言をすれば閉鎖空間でも出るか…?
すまん… 古泉とその愉快な仲間たちよ… 仕事頑張ってくれ…

「実はな… ハルヒ…」
「まさか…?」
「買い忘れたんだ… さっき買おうと思ったんだが…」
俺は目線を下に落とした。


いったいハルヒはどんな顔をしてるんだろうか…
もしも泣いてたりしたら俺は死を覚悟するかもしれん…

ハルヒ… 俺はどうすれば…



目線を少しずつ上に上げてみた。
しかしそこに映ったのは腕を組んで笑顔のハルヒ

嘘…だろ…?
いや、この笑みは何か企んでやがる。

「しかた無いわね」
「許してくれんのか?」
「プレゼントはもらうわよ?」
「だから何も…」
「ひとつだけあるじゃない」

ハルヒはこちらをジロッと見つめてくる。

「どうゆうことだ?」

ハルヒは腕組みを解除して片手を腰に当てて溜息をついた。

そしてハルヒは余所見して恥ずかしそうに片手を上げて俺を指さしている。

「俺っ!? 」
「そ、そうよ…」
「本気か…? お前…?」
「本気よ! もしプレゼント無いなんて言ったらあたし泣くからね」

泣かれるのは困る…
ハルヒが俺をくれと?
それはようするに付き合えってことか?

「付き合うだけじなゃないわよ? 一生あたしの物になるんだから」

一生!?
「本気か…?」
「本気じゃなかったらこんな事は言わないわよ!」

「いいけど?」
「ふぇ?」
「だからいいって」
「本当に…?」
「あぁ」

ハルヒは満面の笑みになって俺に抱き付いてきた。

「ハルヒ、俺の事好きか?」
「好きよ? 大好きっ!」
「そうか… いつごろからだ?」
「もう会った時からよ! もう二人っきりの時なんて心臓バクバクなんだからね!」

「はははっ 顔真っ赤だぞ?」
「うっさいわね、・・・それより恋人らしくキスしていい?」

「好きなだけどうぞ」
「そっ、じゃあ好きなだけやらせてもらうわ」


そう言って互いの唇を合わせた。
























「で、ハルヒ」

「なに?」

「サンタ姿はなんの意味があったんだ?」



ハルヒは少し考えたてから




「そっちの方が冬らしいでしょ?」



特に意見無し。

特に意味無し。



まぁそうゆうハルヒが俺は好きだけどな。

「なによその顔・・・」
「いーや、それよりお前がサンタにならないか? 絶対可愛いと思うが・・・」

ハルヒは顔を赤くしてから

「うん、そうね。 確か家にあったはずよ」



なんであるんだよ。 相当なコスプレマニアか?




















サンタ姿のハルヒは物凄く可愛かった。
街中でこんな姿の子がいたら間違えなくナンパしてたね。 うん。


「どう?」 ハルヒは自慢げに

「似合ってると思うぞ?」

「ありがとっ」

そうゆうとハルヒはまた俺に抱きついてきてキスをしてきた。

サンタ+サンタ=何?

「サンタじゃない?」

そっか。