RAISING 11/19(日曜)



いい天気の土曜




いまから駅前に向かうところだ

なぜか?

今日は不思議探索の日だからさ。

土曜ぐらいはゆっくりさせてくれよ、とゆう願いはすでに無い

願っても意味がない

人間は不可能の領域まで入ると諦めるものさ。

はぁ…

駅前に到着。 やっぱり最後か…

「遅い!罰金!」
とハルヒは叫ぶ

わかってますよ…











いつもの喫茶店で班分けをした。

今日は… ハルヒとか…

朝比奈さんとデートでもしたかったな…ホント…

ハルヒはニヤついた顔で

「今日こそ不思議見つけるからね!」と どこか楽しそうな声で言う




俺とハルヒは北側、他の三人は南側。





駅前で分かれ歩き出した。






「ねぇ、キョン」

「なんだ?」

「手繋がない?」と恥ずかしそうに





しかしハルヒがこんなこと言うとはな…







まぁ断る理由もない… 恥ずかしいがな…

「好きにしろ」

ハルヒはよかったーっていいたそうな顔をして俺の手を握った。

「で、どこいくんだ?」

「んーとりあえず衣服店とかまわらない?」

と笑顔で

「不思議探索じゃないのかよ…」

「今日は久々にキョンと二人っきりなんだしいいじゃない♪」

「そうかい… 好きにしろ…」

まぁずっと歩きっぱなしよりは数倍いいだろうしな…

「あっ、あそこ入ろ!」

ハルヒが指さした先にはそこそこ大きい衣服店

中に入るとハルヒは気に入ったやつを持って試着しに行った。

俺は椅子に座ってる、なんか元気だな今日のハルヒ… まぁいつものことだが…

ハルヒが試着室から出て来て「これどう?」と聞いて来る

「似合ってるんじゃないか?」

「本当に?」

「あぁ」 てかハルヒはスタイルも顔もいいから大抵の物は似合うだろうな…

「んーでもこれ着心地がいまいちなのよね…」 と言って次の服に着替え始めた。

俺はボーッと上を見上げている。

ハルヒは次々に試着して俺に感想を聞いて来る…







「いいと思うぞ」
「似合ってる」
などと愛想のない返事で返す俺に電話がきた

古泉か…

「もしもし?」

「今あなたは何やってますか? それより大変です、少しずつ閉鎖空間が発生しつつあり
ます」

「まぢかよ…」

「いたってまぢです、涼宮さんをお願いしますよ」

「あぁ、すまんな」

と言って電話を切った

と同時にハルヒが出て来た

「どう!?」と必死のような顔で

「ハルヒ、ポニーテールにしてみないか?」

と俺が言うとハルヒは急いで鞄からゴムを取り出して髪を結んでる。

「かなり似合ってる! かわいいぞ」

「本当に!?」と真剣な顔つきで

「あぁ。一番いいんじゃないか?その服」

「じゃあこれにしよっと!」と言って再び着替え始めた。







レジに行く途中ハルヒは財布を出したが俺が止めさせた。



「俺が出してやるよ」

ハルヒは驚いたような顔をして拒否していたがなんとかして止めさせた。

「ほ、本当にいいの…?」

「あぁ、俺の要望だしな」

ハルヒはすごく輝いた笑顔で「ありがとう」と言った。



いつもこんな性格だったらかわいいのにな…








お会計をすませたらハルヒは俺ほ腕に掴まって寄り掛かってきた。

「ど、どうしたんだよハルヒ…」

ハルヒひフフッと笑って「特別に今日一日だけ彼女になってあげる!」とまぢか…

ハルヒを知らない人から見れば最高の彼女だろう…

別に嫌なわけじゃないんだが…な…

「何よその顔…嫌なら別にいいわよー」

「お前がどうしても、って言うならいいぞ?」

「えっ…何よそれ…卑怯じゃない…」と困ったような顔のハルヒ

「どっちなんだ?」と立場が逆になり高ぶる俺。









ハルヒの事だ、こう言ったら確実に断るだろう。








「じ、じゃぁ…どうしても…よ…」






時間が止まった


















ような気がしたかそれは二、三秒の話

おいおいハルヒがこんな返事返すなんて思いもしなかった…

いつものハルヒじゃこんな事言うはずがない…

「嘘だろ…?」と聞き返す俺

「ほ、本当よ…」と頬を染めてうつむいて言うハルヒ

かわいいな… いつもこんな感じだったらモテるだろうに…

「じゃあ一日彼氏になってやるよ」

「うん!」と言って笑顔になった

「次はどこいくんだ?」

「どこでもいいわよ!キョンのすきにして!」

ハルヒ…俺に寄り掛かりすぎだ…歩きずらい…








信号待ち中にハルヒは気ずいたらしくパッと手を離した

それと同時に信号が変わりハルヒは走って行った。

「キョーン!早く来なさいよー!置いてくわよー!」と叫んでいる。

「はいはい…」と俺は呆れたような声で返事をして信号を渡り始めた。

ハルヒは中間ぐらいの所で止まっている、他の歩行者もまだ歩き始めたばかりだ…






























ハルヒ……!!!


気ずいたころにはもう遅かった。


俺は必死こいてハルヒを叫びながら走っている。


ぎりぎり間に合うか…? いや駄目だ… ハルヒだけでも…!


ハルヒに向かってきたのはもうスピードで突っ込んで来る車…


くそ…!くそ…!くそ!


俺はなんとかハルヒを突き飛ばして歩道から外れさした












俺は…もう…遅い…

ほかの歩行者も気ずいてるようだ必死に走ってくる人が何人もいる…

ハルヒ……ごめんな…

次に気ずいたのはすでに視界が赤く染まってブレまくっている…

ハルヒが泣いて叫んでいる…

なんて言ってるか聞こえない…

回りにも人が沢山いる…

痛みが感じられない…

死ぬ前ってこんな感じなのか?

次に何がくるんだ?

天使?死神?

やばいな…意識が遠くなってく…

ハルヒ… もう少しお前と居たかったな…

今思えばハルヒの事が好きなのかもな…

仮定の話だがな、もしハルヒが俺の事が好きで俺がここで死んだら大変な事になるよな…

はぁ… 死ぬ前は色々と考えてしまうものなのか…

左手が暖かい…
ハルヒが握ってくれてるのかな?

ありがとな…










唇に何か柔らかい物が当たったような気がする…
















































あれ…?

なんだこの感じ…

右手が暖かい…

なぁ…ハルヒ…聞こえてないかもしれないがな言わせてくれ。

泣いてる姿は似合わない。
ずっと笑っていろ…


てか、なんで意識あるんだ?俺?

目が開く… 眩しい…


赤くない… 白い輝きがさんさんと降り注いでくる…


「生きてるのか…っっっ……!!!」

脇腹らへんが痛い、ついでに足も


あれ…?

「ハルヒ…?」

俺の右手にはハルヒの顔が乗っかっている。

「寝てるのか…」なんかいい感じに暖かい… それに起こすのも気の毒だろうに…


こいつもしかしてずっとここにいるのか…

今日は何曜だ… 何月何日だ… 誰か教えてくれ…


俺は右手をグッと引いてしまった

「んっ… キョン… なんでよ…」

なんでよって言われましても… しかも寝言…

「嫌だよ… キョンがいないなんて…」

どんな夢見てるんだろう… 涙を流してる…

「キョン…戻って来て…ずっと側にいて…」

あぁ、居てやるつもりさ、お前が起きたら伝えてやるよ。それまで悪夢と戦うんだな…

「ありがとぅ…」

礼言われましたよ、テレパシー能力でもついたか?

とかバカバカしい事を考えていると…

「ん…あれ…? 夢…」

とハルヒが目を覚ました。

ちょい寝たフリでもしてみようかな。

「キョン… 絶対死なないでね… 私キョンがいないと…」

死にませんよ。 死ぬかと思ったけどな…

「私ね、キョンの事好きだよ? 大好きだよ。」

そうか… 俺もだ…
「私のせいで… こんなことに…」

泣いて…る…

ハルヒに涙ほど合わないものは無い。

「キョンが起きたら私絶対に言う事聞いてあげるから… 私の事嫌いにならないでよ
ね?」

そろそろ笑いがこらえられなくなってきた…

「キョンがこんな事になって初めて気ずいたの… キョンが、、、」

「クックククク……」

声が出てしまった…

「え…?キョン?」

「ハッハッハッハッ!」

ついでにいっとくが笑い中だからな

「キョン!? なんで!? どうして!?」

「よぅ ハルヒ、久しぶりだな」

「嘘…でしょ…? 夢…?」「本当だ」

「キョン!」と言ってハルヒは俺のいるベットに上り抱き付いてきた

「ちょっ、ハルヒ!?」

「よかった… 本当によかった…」と泣きながら

「ほら泣くなって」

「ごめんね、私のせいで、本当にごめんね…」

「いいから涙を拭け! 似合わないぞ?」

「キョン…、私ね…」

「ハルヒ、好きだ」

「えっ…?」

「俺はお前の事が好きだ」

ハルヒは大粒の涙を流し始めた。

「だから泣くなって!」

「うっ…うぅ… ごめん… 私…てっきりキョンが私の事きらいになったんじゃないかと
思って…」

「そんなはずないだろ」

「キョン…」と言ってハルヒは抱き付く力を強くした…

「いでででででっっっ!」

「あっ!ごめん!」

「答えは…?」

「何の?」

「俺の告白の…」

「決まってるわ… 私とずっと一緒にいて…」

「ハルヒ、ありがとな…」

「うん…」

と言って唇を重ねた。