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 11/20(月曜)






「なぁハルヒ」

「何?」

「ちょっと離れてくれないか…?書きずらいんだが…」

「あっごめん」



さて俺が今何してもらってるかというと

自宅でハルヒに勉強を教えてもらってる。

「おい、またくっついてんぞ…」


俺とハルヒが付き合い始めてから三か月が経った。

どうやらハルヒはどこかくっついてないと落ち着かないらしい…

で、ハルヒはA4の紙になりやら書き始めた。

「なんだそれ?」

「問題よ。これ出来たら私を自由になんでもしていから」

またとんでもない事を言い出す…

「別にどうもしないからな」

「少しぐらいは欲があるんじゃないの?」とニヤケて聞いて来るハルヒ…

「ない………ことも…ない…かもな…」

「じゃあそれをやってもいいのよ!」と笑みで

「じゃあこの問題が出来たらの話な」

「約束ね!」とハルヒは言ってA4プリントを俺に渡した



「…」

「どうしたの?早くやりなさいよ」

「早くって…お前…なんだこれ…」

俺の目の前にあるのはただのA4用紙一枚だ

だが時と場合によっては、このA4用紙は人の人生を変える場合もある…テストとかな…

だが俺の目の前のA4は間違いなくトラップだ…

その用紙の内容は…

[ある所に男性と女性がいます。二人は付き合って三か月程の熱いカップルです。女性は
なんでもすると言ってます。さて、男性は何をするでしょう?]

なんだこれ… 心理テスト? いや人生においてこんな問題を見る事は二度と無いだろう…
ある意味レアだレア。

んな事考えてる暇もなくハルヒは制限時間をつけてきた…30秒…

なんて書けばいいんだよ…

ハルヒは俺に背を向けて鼻歌を歌ってる。

「なぁ、ハル、、、」

「私語禁止!後15秒!」

世界最短究極のテスト…

しかも空欄は文字が3つぐらいしか入らない大きさだ…

じゃあこれしか無いだろう…

「2、1、0、終了!」とハルヒは言って振り返った

「見して見して!」とガキのような顔で

「その前にこれやってみろ」

と俺が言いA4用紙を差し出した

内容はハルヒのやつを逆にしただけ。

「もし同じ答えだったら書いてある事をやってやる」

「本当に!?」

「あぁ、制限時間は30びょ、、、」

「出来た!」と顔を輝かせているハルヒ

てか早いな…


「じゃあ一斉に見せましょう!」

「わかった」

「せーのっっ!」











まぁな。

俺はこいつが嫌いなわけでも無い。

好きだ、だから付き合ってる。

いつも世話になってるやつだ。

こんな日ぐらいなんでもしてやるさ。

俺の解答欄には小さく「なんでも」と書いた。

ハルヒはというと…

とんでもなくかわいい字で「ちゅー」

と書いてある…

「え…キョン…それ何?」

「書いてある通りだ、お前のためならなんでもしてやるよ、いつも世話になってるしな…」

「キョン…ありがとう…」

「ただーし!一つ条件がある。」

「ぇ?何?」と真剣な顔のハルヒ



「俺とずっと一緒に居てくれるか?」 恥ずかしっ!

「あたり前じゃない! 一生離れないわ!」

「そうか、ならなんでもしてやるよ」

「でも」

「ん?」

「浮気したらブっ飛ばすからね」とニヤケ顔で。

「そん時はそん時だ」と俺もニヤケ顔で

「もうっ! キョンったら!」

とハルヒは言ってベットに寝転がった

「で何するんだ?」

「決まってるわ、こっちに来なさいよ」

「まさか…な…」

「まさかよ! なんでもしてくれるんでしょ?」

「いや…それはちょっと早すぎるだろ…」

なんて言っても俺とハルヒはまだ高二だ…

「あんた何考えてるの?ただちゅーするだけじゃない…」

「ほぇ…?」

俺の頭の中に安心と0.00001ミクロンの後悔が生まれた…

なんだ…キスか…

「ならわざわざベットに行かなくてもよかったんじゃないか?」

「それは… い、いいじゃない別に!」と頬を染めて。

「ハルヒ…」

「何よ?」

「やっぱなんでもない!」と言って俺はハルヒにキスをした。


「もう一回ちゅーして…」

「なんで…」

「もう一回…」


しかたなくまたすることに

「ほら満足だろ?」

「キョンのちゅーはなんかいやらしいよ…?」

「わけわからん…」

でハルヒは今まで見せた事も無い甘え顔で


「もう一回… ね?いいでしょ…?」

すげぇ可愛いんですけど…

「はいはい…」


そこから何回同じ事を繰り返しただろう…

いつのまにか抱き合ってキスしてた…



「キョン…大好き…」

「俺もだ…」

と言ってハルヒは起き上がりベットから降りた。

やっと終わったか…

「キョン!明日また来ていい?」

「明日……いいぞ」

「やったー」

「ハルヒ…」

「ん?」

「また今みたいな事するために来るならハルヒの家にしないか?」

「それもそうね…、じゃあ明日学校終わったらすぐ来なさいよ」

「SOS団は?」

「明日は休み!」

「そうかい」

「じゃあおんぶして!」

「わけわからん…」

「へぇー、そんな事言っていいんだー。」

「なんだよ…」

「じゃあこれの事言っちゃおっかな〜」

と言ってハルヒは俺のベットの隠しエリアから秘蔵の雑誌を取り出した。

「っっっ…!! いつから気づいてたんだ…」

「キョンとちゅーする前」

「はぁ……すまん…俺が悪かった…」

「どうしよっかな〜?」と言ってハルヒは雑誌をヒラヒラさせてる。

「じゃあ今後一切こんなもの買わないって約束する?」

「あぁ…」
「もう一つ」

「なんだ…」

「私の言う事いつでも聞くこと!いい?」

「わかった…」

「別にこんなの買わなくてもいつでもやってあげるのに…」と小さく小声で。

「なんか言ったか?」

「えっ、いや別に!」

「そうか…」





その後おんぶでは無くて手を繋いでハルヒの家までついていった。




さらば雑誌。

俺には聞こえてたさ、ハルヒがいつでもしてくれるってさ。

まぁそんなの未来の話だがな…



俺は帰り道ゴミ箱に