Perseverance -Limit- 12/20




繰り返しが続く…
今は三回目… 変わらない。
俺を睨むハルヒ。
窓からの赤い光によって少しかっこよく見える。 んな事はどうでもいい。
また夏みたいな事が起きている。
幸い記憶が消えないだけましだ。
何がいけないんだ…?
俺とハルヒが駅前に集合してレストランまで歩いて行く。
不思議な点は無い。

いや、ひとつだけ…
ハルヒが学校から帰るまでと駅前で合った時の感じるがまるで違う。
急に元気になっていた。
ハルヒらしいと言えばハルヒらしいのだが…
そんな急に変わるのはちょっと…

「ハルヒ、頼むから機嫌直してくれ」
視線に耐えきれず俺の吐いた台詞がこれ。
「あんたは最低よ」
変わった。 ハルヒの台詞が。
「なんでだよ」
「うるさい、もう口聞かないから」
聞いてますよ。

「俺が悪かった、すまんこの通りだ」
俺は初めてハルヒに頭を下げた。
屈辱なんていい、プライドなんていい。
ただ元の時間に戻りたいだけだ…
「…」
「本当にすまん」
「…から…」
「なんだ?」
「わかったから… 顔上げなさい」
「許してくれるのか?」
「その代わり条件があるわ」
「なんだ」
「わたしに夜御飯ご馳走する事、あんたも一緒に」
「わかった、何が食べたい?」
「なんでもいいわ」

あの店は避けよう。
もしかしたら扉が原因かもしれない。

「中華とかどうだ?」
「いいわよ」

あっさり承認してくれた。
変えれるのだろうか。




その後再び待ち合わせ場所と時間を決めて家に帰った。
さて、俺を襲うのは睡魔、食欲。
耐えられるはずがない、もうかなりの時間二つとも取ってないわけだ
あぁ・・・ ベットの上が温かそうだ・・・ お花畑・・・ 天使・・・
足が・・・ 足が勝手に・・・ ベットへ・・・
ゴロン・・・
予想通りこの世とは思えないほど気持ちよかった。
幸せだ・・・  虚しい幸せだ・・・ 
寝たらどうなるんだろ・・・? ハルヒが一生口を聞かないか?
とりあえず時間軸を戻せばいいんだ・・・

そのまま睡魔に負けて寝てしまった・・・








バッアァアアアアアアン!!!

なんだ? うるさいな・・・ こっちは気持ちよく寝てるんだよ・・・
気持ちよく? あれ、枕が固い・・・ 布団をきていたはずが・・・
それになんだこの感じ、このオーラ、この空気・・・
まるで夕方の部室みたいな感じだ・・・ いや、俺は寝ていたんだ。 夢だ

少しだけ目を開いてみた。

周りは夕焼けにより紅色に染まり窓際には見慣れた人物が座っていた。

「よ、よぅハルヒ、昨日は飯食いにいけなくてごめんな、寝てしまった」

間違えなく戻っているためこんな質問は意味が無い

「昨日?」
「そう昨日、あれ? 今日か、そうだ今日一緒に昼飯食えなくて」
「ふんっだ」

ハルヒはそっぽ向いてしまった
限界なんだ・・・ そろそろ腹が・・・

ぐっぎゅるるるるるっるるるー

みっともない腹の鳴り方だな・・・
ハルヒが驚いたような顔でこちらを睨んできた

「あんた昼飯食べたんでしょ?」
「食べた・・・ けど、もう一日分ぐらいは食べてない・・・」
「わけわかんないわよ」
「腹へったぁぁぁ・・・」
「まだ4時よ?」
「だめだ・・・ 限界・・・ ちょっと購買部行ってくる」
ハルヒは無言で手を振った
そういえばハルヒがなんか良く喋ったな・・・
すこしずーつ、変わってるのか?





とりあえずパンを片っ端から取っていきレジへ向かった
全て提示すると店員は一度俺に確認してきた。
今の俺ならこれくらい余裕だ・・・

「2800円になります」

高・・・













「入るぞ〜」

ガチャッ


やはり団長様は団長席でボーとしていた。

「ほら」

俺がハルヒに差し出したのはジュース
少しでも機嫌が取れればいいんだが・・・

「わたしの機嫌を少しでも良くしよう、ってこんたん?」

バレバレでしたか。

「いらないなら返してもらう」
「いるわよ」

ハルヒはジュースを手に取りゴクゴクと飲み始めた。
俺は袋からパンを全て机にぶちまけて片っ端から封を開けてガツガツと胃に入れた。

「あんた・・・ 本当に大丈夫?」

心配そうにハルヒが聞いてきた

「なにはは」
口に物が入ってるため日本語不可。

「さっき食べたじゃない・・・ それでまた食べるの?」
「あはりはえはろ」
「・・・」

「おまへほ、食うは?」
「い、いいわよ・・・」
「これはるんだが・・・」 口のものを全て飲み込んだ
「それって・・・」

そう、これは購買部レアもののパンだ。
一日3個とゆう超限定もの。
それがこんな時間に余ってる時点でおかしいはずが
なぜかポツンと置いてあった。
最初は展示ものかた思ったが自分でもビックリだ。
ぶっちゃけ俺が食べたい・・・ でも時間軸が戻れるならば・・・

「いいの?これって確か限定ものでしょ・・・?」
「好きなだけ食え」
「じゃぁいただきます」
「おいしいか?」

「何コレ・・・ すんごい美味しい・・・」

羨ましい・・・ 羨ましいぞ・・・
なんだその幸せそうな顔・・・ 俺の・・・ 俺のパンンンンン!!


「やっぱ悪いわね・・・」
「いいから食え」
「ほら」

ハルヒは俺に限定パンを差し出した
いや・・・ お前らしくないな・・・

「でも俺が食ったら間接キスになるんじゃ・・・」
「嫌なの?」

嫌も何も・・・ お前はいいのか?

「別に」

以外・・・

「その代わり」

夜飯か? またか、次は何がいい? 和食か?なぁオイ

「他のやつをいただくわよ」

パンが食いたいのか? でももうレア物は無いぞ?

「いいわよ」

食え食えどんどん食え。 そして機嫌を直せ。
そして時間を戻せ。

「キョン、ちょっと目を瞑ってくれない?」
「なんだ?」

言われたまま目を瞑った
キスか?こうゆう展開はキスなのか?









「あんた何やってんの?」

予想外な発言がきた。
さすがの予知能力者でもこれは予知できまい。
これやってと言われてやったのに相手にお礼を言われるどころか邪魔者扱いされた気分だ。

「何ってお前・・・」

目を開けてみた。
予知能力者よ、今すぐ連絡してこい。

戻ってるぅうううううううううううううぅぅぅ!!!
また不機嫌なハルヒが俺を睨んで座っている・・・
手に持っていたはずの限定パンも消えている。 もちろん机の上も綺麗さっぱりだ・・・

「ハルヒ、限定パン食ったことあるか?」
「・・・・ないわよ」
「食べたいか?」
「・・・・そりゃそうよ」
「今度食わせてやるよ」
「うるさい」

うむ、不機嫌絶頂だな・・・
オーラだけで人が殺せそうな感じだ・・・ 怖・・・

しかし俺を襲ったのは食欲でもなくて睡魔
さっき寝ただろ?なぁ・・・

やはり人間は睡魔には勝てないようで・・・ 俺は机に頭を置いて寝ることにした。

「もし寝すぎたら起こしてくれよ」
「・・・気が向いたらね」

気が向いたら・・・か・・・
もしハルヒが起こしてくれなかったらずっと寝てると思う・・・
ずっと繰り返しが続いてるけどね・・・

















































=============================================================


目・・・が覚めたな・・・
結局あいつは起こしてくれなかったな・・・
まぁしょうがないだろ、またどうせ戻ってるだろうに。

しかし目を瞑ったままでもわかる、何かの違和感が・・・
多分、目の前になにかいる・・・ とても大きな何かが・・・

おそるおそる目を開けてみた・・・




ドッドドガッシャンッ!!

多分今だったら秒速50mぐらいはいけただろう。
パイプ椅子も見事に倒れ俺も尻を床におもいっきりたたきつけた。

その前にとんでもない状態が発生した。

ハルヒは寝ている。
寝ているのはどうでもいい、どうでもいいんだ。
問題は場所。
俺の目の前で寝てやがった・・・
多分5cmぐらい動いていたら口付けしていただろう・・・
危ない、てゆーかお前は何やっている・・・
なんで俺の目の前で寝ているんだ。
もし俺が前に動いていたら・・・き、きき・・・ えぇいもういい!キスしてたとこなんだぞ!?
しかも随分と幸せそうな寝顔・・・ 起こそうにも起こせない・・・
窓の外は真っ暗・・・ おぃおぃ・・・ 時計は8時をさしている・・・
8時!? どんだけ寝た・・・? 寝始めたのが4時くらいだから・・・ 軽く4時間?
ハルヒよ・・・ お前確か不機嫌だよな? しかも俺に対して・・・ 
なぁ、何かの間違いだよな? それに・・・

時間が戻らない・・・





「ん、ふぁぁぁああ〜」

どうやら団長様がお目覚めのようだ。

「あれ・・・ いつのまに寝たのかな・・・」
「聞きたいことが大量にある」
「あれ? キョン?」
「ハルヒよ、まず第一に俺の前で寝ていた理由を聞こう」
「え、あ、うぇっ!? う、うう嘘!?」
「嘘もくそも無い、本当だ」
「あ、あぁあああ、あたしあんたの前で寝てた!?」
「YES」
「何かの間違いよ!」
「俺が少しでもミスしてたら口付けしてたところだったんだぞ・・・」
「変態!このエロキョン!」
「うるせぇよ、お前なんでそんなに機嫌いいんだよ・・・」
「あんたがずぅぅぅぅぅぅぅっと不機嫌だったんじゃない!」
「不機嫌? 俺が? お前だろ?」
「はぁ?何言ってんのよ。 わたしが約束破っちゃったからあんたが不機嫌になったんじゃない」
「待て、俺が約束破ったんだろ?」
「わけわかんないわよ? わたしがお昼一緒に食べるって約束したのにわたしが破ったから・・・」

逆だ、全て逆だ

「ぁーわかったハルヒ、落ち着け」
「落ち着いてらんないわよ・・・ キョン、ごめんね・・・」
「謝れる理由がわからん」
「本当にごめん・・・ あんたあれからずっとわたしと口聞いてくれなかったから・・・」
「へ?」
「心配だったのよ・・・ ずっと・・・ 不安だった・・・ 嫌われたのかなって・・・」

逆ですよ。逆。
どうなっているのかまったくわからない・・・
俺とハルヒが同じ体験をした?

「何回か繰り返したか?」
「何それ? 何の話?」

違うのか・・・ 俺は・・・ 六回ぐらい繰り返したぞ・・・?

「それよりわたしの事許してくれる・・・?」
「あぁ、もとより怒ってなどいない」
「怒ってたじゃない、口聞いてくれなかったのがいい証拠よ」
「ハルヒ」
「何?」
「お前とちょっと会話したい、今までの事は忘れて少し普通の話がしたい」
「普通の話?」
「それと」
「?」




「ありがとうな」



「なんでお礼いわれなきゃいけないのよ?」

なんでかな、言いたかったんだ。
ハルヒ、頭に『?』マークが出っぱなしだぞ?



「キョン、あんたは何か気づいてないわ」
「なにがだ?」
「帰るわよ」

あぁ、忘れてた・・・


「キョン、話したいんでしょ?」
「あぁ、でも今日はもう帰ろう」
「あんたの家行ってあげるわ」
「もうこんな時間だぞ?」
「いいわよ、わたしもキョンと話したいんだし」
「そうか、まぁいいぞ」
「そっ」






帰り道に電灯の光を照らす場所に着いてはハルヒの顔を眺めてみた。
頬が赤く染まり、綺麗な目だ。

「何よ、さっきからジロジロと・・・ やっぱあんたはエロキョンね」
「そんないやらしいところは見てない・・・」
「嘘ね、顔がニヤケてるわ」

まぢかっ・・・

「まったく、お前は観察力が良すぎるんだよ」
「ほめ言葉として預かっておくわ」










とりあえず帰って話そう。
色々話したいことがあるんだ。
さっきまでの事、今の事、今後の事。

そして俺は多分、今日ハルヒに