Perseverance-Heart- 12/22




「あー、お腹減ったわ」

そんな不満を漏らすハルヒ。

「飯食いに行くか?」

さっきパン買ったけどほとんど食べれなかったしな・・・

「うっそ!? 奢ってくれるの!? ありがと!」

待て、そんな事一言も言ってないぞ。

「さっすがキョンね、それともお詫び?」

お詫び?  あぁ、そっか・・・

「まぁいいけどさ、奢ってやるよ」

どのみち俺が財布を出す予定だったんだ。 別にいいさ。

「なんか変ね・・・」
「なにが」
「あんたが」

俺が変? お前に比べればミジンコ並みだぜ。

「ふーん、ミジンコキョン、さっさとご飯食べに行くわよ」

前言撤回、ミジンコってのは無しでお願いします

「まぁ、いいわ。 キョン、あんた話したいことって何?」
「それは後ででもいいだろ?」
「そうね」




俺とハルヒが立ち寄ったのはいつもの喫茶店。
さて俺はこの場所で合計どれくらい出費しただろうか・・・
五桁いってるよな・・・ うん・・・

「ど・れ・に・しようか、な〜」
とメニューを見ながらハルヒが言い出した。
ど・れ・で・も・いいんじゃないか? 好きにしろ。

「じゃぁこのスペシャルセット!」

えっと・・・ これか・・・ 1000円ってオイ・・・

「キョン! デザートもいい?」
笑顔が飛んできた・・・  やめてくれ・・・
そんな顔じゃ拒否るに拒否れん・・・

「好きにしろ・・・ けどほどほどにしてくれ」
「じゃぁこれとこれとこれとー これ!」

えっと? これ、これ、これ、これ?
ふざけんなっ・・・

「じ、冗談よ・・・ そんな怖い顔しないでよ・・・」
誰のせいだよ・・・





「お待たせしました、スペシャルセットとハンバーグステーキです」

ジュゥゥゥーーーっ とゆう音が鳴り響き食欲がMAXに達した。




ハルヒがスペシャルをパクッと一口。
「ん、おいしい」
「よかったな」

まぁなんとゆうか・・・
ハルヒのスペシャルセットはとんでもなくスペシャルだった。
あぁ、俺もそっちにすればよかったかな・・・

「食べたいの?キョン」

普段だったらオモイっきり頷いてやるさ、けど今日は俺が悪い(?)しな。
だから首を軽く横に振った。

「無理しなくていいわよ、あんたの奢りなんだし」
「いいのか?」
「別に?」

そうか、なら頂いてやる。

「ほら、あーん」


あーん、って・・・
お前、俺たちいくつだと思ってんだよ・・・
んなことしたら他の客から眼光を放たれる・・・

「自分で食べる」
「だめよ、あーん、しないと」
「なんでだよ・・・」
「なんでって・・・ ほら・・・ キョンの奢りなんだし、サービスよ」

サービスって・・・
サービスの意味知ってるか? 他人に嬉しいことをするんだぞ?
いや、確かに嬉しいんだが・・・ な、他人が・・・

「やっぱり無理」

ハルヒは一度口から「ふ〜ん」と漏らしてから大きく息継ぎして
「みなさーん聞いてください、ここにいる男は実はいつも部室である女の子といつもセ、もごもご・・・」

俺は今までにないスピードでハルヒの口を手で押さえた。
なぁ、お前今何言おうとした? セ? 本気で怒るぞ・・・
しかももう既に他の客の視線は一点集中。 ぐぉぉおぉ・・・
てゆーか

「ハルヒ、ふざけんなっつーの」
「もごもご・・・ ん〜んんー」

ペロッ、って音がしたような気がした。


俺の手をなめるな・・・
なんでそんな笑顔なんだ・・・
なめ続けるな・・・

「だーっ、もう!」
手をいそいでおしぼりで拭いた。
うわ・・・ 唾液が・・・

「もう、なんで拭くのよ・・・」
少し不満気な確信犯。

ここで手を拭くことは
日常で外に出るとき人間が服を着るのと同じ事だ。
全員全裸で街中歩いてたらどうするよ? 確実に困るね。

「堂々としてればいいじゃない」

それが出来るのはお前だけだ。

「あんたは見たくないの?」

見たくない  と言えば嘘になる。
はぁー・・・

「変態・・・」

うるせえよ・・・


























===========================================================


そんなこんなで店を出た俺とハルヒ。
レジでは店員がクスクス笑いながらレシートを見ていた。
責任は全てハルヒにあるんで、俺には何も言わないでください。

「キョン、さっさと行くわよー!」










そしてまた夜道を歩く。

「おいしかったー、また奢ってよ? キョン」

二度と二人では行きません。

「団長命令よ。 あんたにゴタゴタ言われる筋合いは無いわ」

じゃぁ退団しようかな・・・

「え、それは・・・ だめよ・・・ そんな事したら・・・ わたし・・・」

なんだよ?

「な、なんでもないわよ! 退団は絶対に認めないから! わかった!?」

どうしよっかなー

「・・・」

黙り込んだハルヒ。
しかし眼差しは俺に向けられていた。
潤んだ瞳で・・・ まて、その目やめてくれ・・・ 罪悪感がする・・・
「まて、やめてくれ・・・」

しかしハルヒは瞬きもせずに俺の顔を潤んだ目で見続ける・・・
やめろ、やめてくれぇえ!  正直可愛すぎる! ハルヒにこんな素質があったなんて・・・
素質? まぁなんでもいい! 頼むから止めて・・・

「約束して」
「何を・・・?」
「退団は絶対にしないって約束・・・」

なんで俺に退団して欲しくないんだ?
俺がいなくたって困らないと思うぞ? あの三人が居れば・・・

しかしハルヒの目の潤み度が更に高まった。
なぁ、抱きしめてもいいか? なんて不意にも言いそうだ・・・
まさかハルヒがここまで可愛い事が出来るなんて・・・
あれ・・・ 俺、狂ってきたぞ・・・?


「ハルヒ、退団はしない、その代わり一つやってほしい事がある」
「やってほしいこと?」
「一回だけ、上目遣いで『ありがとう』って言ってくれないか?」
「一回だけよ?」


なーんて空想を描く俺・・・
今の俺の空想だからな、現実で起こったわけじゃないからな・・・
まぁやってほしいのは確かなんだけど・・・ ハルヒにぶっ飛ばされそう・・・

「お願い・・・」
うむむ、ハルヒ、可愛いぞ・・・

「わかった、わかった、退団はしない!」


そうするとハルヒは上目遣いで
「ありがとう」と





ぁー、ごめん。 そろそろやばいかも・・・
まさかハルヒにここまで萌える(ぁ) とは・・・

「ねぇキョン」
「なんだ?」
「夕方ごろにさ、あんた寝てたじゃない? その時どんな夢見てたの?」

えっと、なんだっけ?
「確かー・・・ ハルヒが俺に昼飯一緒に食べようって言ってきて
俺が忘れてて約束破ったらハルヒが不機嫌MAXになってずっと仲直りできなかったって夢」

今思えば、あれは夢だったのか?
可能性は高い、高いんだけど、今の俺には”夢”と断定出来る自信は無い。

「わたしの夢わね、今のキョンの夢と同じ内容でわたしとキョンが逆の立場だったのよ」

ドリームシンクロって言うのかな? まぁいいや。

「でもね、キョンが先にこう言ったのよ
『ハルヒ、頼むから機嫌を直してくれ』
って、意味わからなかったわよ、『機嫌悪いのはあんたでしょ?』って返したわ」
「俺がそんな事言ったのか?」
「言ったわよ、でね次にこんなこと言ってきたのよ
『今まで俺たちは外にいたよな?』
意味不明よ、今までってなんなのよ?」
「俺に聞くな・・・」

しかしそんな台詞を俺は吐いたような気がする・・・
記憶力いいな・・・こいつ・・・

「それでね、キョンはいきなり立ち上がってわたしの両肩をガッ!て掴んだの」
「ぁー、そりゃすまなかった」

それは・・・ なんか記憶にある・・・

「『ハルヒ・・・ 俺って・・・ いつもの俺か?』も言ってたわ、あんた何のつもりなのよ?」
「知らん・・・」
「どうせ夢だしいいけど・・・」
「夢、か・・・」

「で、キョン。 あれは、どう取ればいいの?」
「あれ? あれ、ってなんだ?」
「あ、あんたがいきなりわ、わたしにき、き、キス・・・ してきた・・・」
「それはいつの夢だ?」
「結構前の夢とさっきの夢」

なにぃ!? 結構前の方は認めてやろう
でもさっきのは無い・・・

「じゃぁわたしから聞くけど」
「ん?」
「わたしの事、好き? 嫌い?」




はてさて、上目遣いで聞いてくるハルヒはとんでもなく可愛かったわけですが・・・
二択か・・・ 普通ってのは無しなんだろうな・・・

嫌いって言った後やっぱり好きって言おうか?
反応が見てみたい気もするが
うむ、そうしよう。

「き、、、」
「わたしはキョンの事好きだからね!?」

予想GAY・・・
likeか? loveか?

「ど、どっちでもいいじゃない!」
焦るハルヒ。

「き、、、」
「好きだから! もちろん、ラ、loveよ!」

嫌いとゆう選択は無いのか?

「き、、、」
「やだ・・・ いやだよ・・・ キョン・・・」

マテ、人の話をきけ・・・っ!?

「ハルヒ!?」

ボロボロと光の粒を流し始めやがった・・・
俺はな・・・ 団長のお前が好きなんだよ。 まぁ確かに、今のハルヒは可愛いけどさ
だから、お前に涙は似合わない。

「ハルヒ俺はお前がきら、、、」
「ごめん、何かしたなら謝るから!」

それはまるで『嫌い』とゆう言葉が聞きたくないような発言だった。
心配するな
俺は結構舌がまわるんだ、

「俺はお前がきらいじゃない」 早口で言ってやった。
「ごめ、、、って、え?」
「嫌いじゃない」
「そ、それはいいけど・・・ で、なんなの?」
「好きなのかもな」
「ほんと・・・に・・・?」
「あぁ」
「どうせあんたの事だからlikeでしょ・・・?」
少し不安そうなハルヒだった。
残念ながら
「loveだ」


ハルヒの顔がみるみるうちに明るくなっていった。
更に「キョン!」と言って抱きついてきた。
うおぉ、ビックリした・・・

「お、おいハルヒ・・・」
「遅いのよバカッ! 本当にあんたはバカよ!」
「バカで結構ですよ」
「でもわたしが大好きなバカよ」

意味不明・・・

「よかったぁぁ・・・」

すまんが、本当にすまんが・・・
俺の股間部に刺激を与えないでくれ・・・ 足が・・・ 当たってるって・・・

「き、で始まったからずっと話切り替えたじゃない・・・ 
最初ッから好きって言えばいいのに・・・ バカキョン・・・」
「そっか」
「まぁ、でも結果オーライね・・・   ってキョン、ちょっと・・・」
「あん? なんだ?」
「ここ・・・ なんか硬く・・・なって、、、」
「シャラップ」
「そ、そうゆうことね、うん、そうなんだ・・・」
「どうゆうことだ・・・」
「ただ単にわたしとえっちしたいって事なんでしょ?」

否定は出来ない・・・ いや、冗談だ。

「ふーん、そうなんだー、合体したいんだー」

合体って・・・ 女性があんまりそうゆう言葉は使うな・・・

「まっ、いづれかの楽しみにしときなさいよ」
「はいはい・・・」
「なんでそんな残念そうな顔すんのよ? やっぱり・・・?」
「そうゆう事にしとけ」
「ふふふ、ならわたしとこれからもずっと一緒にいるのよ? いつかしてあげるから」
「楽しみにしてるよ」
「やっぱエロキョンね」
「うるせぇよ・・・ 男はみんなそうだ」
「そっ」




まぁ、なんだその・・・
今でもいいんだが・・・

狂った俺・・・  とりあえずハルヒ、愛してるから。











後日談。

長門によれば、夢では無いらしい。
俺は結果32時間、変な世界に入れられていたらしい。
ハルヒによって・・・
まぁ32時間余分に生きたんだ、でも得したのか? いや、変わらない気が・・・


ぁー、ハルヒ、頼むから・・・

それ以降ハルヒはくっ付いてきては俺の股間部に何らかの刺激を与え続けてきた・・・
何してるんですか・・・ ほんと・・・



まぁとりあえず。 御疲れさま、俺。