不思議なんてものは世界には数えられないほどある。
しかもその不思議が一ヵ所に集中してたらどうするよ?
俺は間違えなく遠くへ非難するね。
もう不思議なんていらない。 十分に楽しんだ。
だから平凡な日常を返してくれ。
高校生としてあるべき生活を。
高校生らしい生活を。
そんなある日。
いつも通りに授業を終え、部活しにいき、帰って寝る予定だった俺はなんだか機嫌が良
かった。
学校に行く途中に誰にも会わずに登校した。
クラスについても早かったか数名しか居ない。
その中にもちろんハルヒは居る。
ハルヒは俺が教室に入ったのに気付いたらしくこちらを見ている。
いつもとは違う表情で。
俺がハルヒの前までいくと事件は起きた。
いや事件じゃないかもしれない。 ただのおふざけかもしれない。
ハルヒは俺に礼儀正しくお辞儀をして。
「おはようございます、キョン君」
と清楚な顔で。
また変な事を始めたんだな…
なんだ? 俺の好みに合わせてるのか?
それは昨日の話だ。
谷口が突然俺の席の近くに現われ。
「なぁキョン、お前のタイプってどんなのだ?」
「なんだよ突然…」
「だーかーらー お前の好みのタイプはどんなんだって聞いてんの!」
「そうだな… 礼儀正しくて清楚な人かな…」
「なんか普通だな…」
「うるせぇよ、お前はどうなんだよ」
「あ?俺か? やっばり」
話に戻ろう
もちろんそんな会話は後ろの席に座っていたハルヒは耳に入れているだろう。
何もいきなり変わらなくても…
「どうたんだよハルヒ、熱でもあるのか?」
ハルヒはなぜだか顔を赤くしている
「や、やや止めてくださいよそんないきなり…」
へ? なにが?
「いつもは涼宮って呼んでるじゃないですか… いきなりハルヒなんて…」
「もういいぞハルヒ、それも可愛いけどなんか不自然だ」
「か、かか可愛い!? 何言ってるんですかキョン君!? キョン君こそ今日はなんだか変
ですよ!」
なんでそこまで顔が赤いんだよ。
真っ赤だぞ!?
「じ、じゃあ涼宮、ちょと聞いていいか?」
「はい、なんでしょうか?」
「SOS団は知ってるよな?」
「はい? なんですか? それ?」
「はっ?」
「なんだかおもしろそうですね、詳しく聞かせてください」
「じゃぁ朝比奈さんや長門や古泉の事は覚えてるか!?」
「キョン君… あんまり怖い顔しないでください」
「いいから質問に答えてくれ!」
「知ってますよ? キョン君が紹介してくれたんじゃないですか」
てことは三人と俺は繋がりがあるんだな。
よかった… ハルヒが消えた時よりはマシだな。
「ハル、じゃなくて涼宮、俺とお前はどうゆう関係だ?」
くそっ… かなり焦ってきた…
今の俺は相当な事を経験してきたからまだ少しだけ余裕がある…
「えっとそうですね… お友達でしょうか?」
「友達… か…」
「本当に大丈夫ですか…?」
「あぁ、ありがとな」
「お役に立てたなら光栄です」
俺は席を立って部室へとダッシュした。
頼む、誰でもいいからいてくれ!
出来れば長門! 古泉でもいい! 最低でも朝比奈さん(大)!
いつのまにか部室の前に着いていた。
頼むぞ…
ドアノブがガタガタいってる。
ものすごく手が震えている…
「入るぞ」
ガチャッ
よかった… 頼みの綱は生きていた。
「長門… 古泉…」
「ようやくこられましたね」
「待ってたのか?」
「そうですよ?」
「何か起きている…」
「涼宮ハルヒの能力が発動した」
「どうゆうことだ?」
「願った事が叶う能力ですよ」
「何を願ったんだあいつは…」
「あなたのせいですよ?」
「は?」
「昨日何か言ったはずですが」
まさか… 谷口との会話が原因か…?
そんなばかな…
「どうにかならないのか?」
「不可能、涼宮ハルヒの能力は私たちではどうする事も出来ない」
「つまりあなたが解決してください」
役に立たない宇宙人と超能力者め…
「じゃあ俺は行くぞ」
「頑張ってください」
「…頑張って」
教室に戻ったら谷口が話かけてきた
いいぞ、俺は聞きたい事が大量にあるんだ
「キョンもまったく鈍感すぎるんだよ…」
「んな事よりハルヒの様子がおかしくないか?」
「お前… いつから涼宮さんをハルヒなんて呼び捨てにするようになったんだよ…」
「はぁ? だいぶ前からだが…」
「嘘つけ! つーかお前もそろそろ涼宮さんの気持ちに答えろよ!」
お前もいつからハルヒを『さん』付けで呼ぶようになったんだ…
「お前… いいかげんにしろよ…」
「怖い顔すんな…」
「キョン君は涼宮さんの気持ちに気付いて上げないと」
同じクラスの女子が集まってきた。
「はやく告っちゃいなよっ!」
「きっと涼宮さんも待ってるよっ!」
どうゆう事だ…
なんで皆気付かないんだ…
おかしいだろ…
そのハルヒは席で勉強をしてる…
まぢかよ…
チャイムが鳴ったので皆席についた。
「あの、キョン君」
「なんだよ」
「今日は一緒にお昼ご飯食べませんか? お弁当作ってきたんですが…」
おいおい…
なんでそんなに顔が赤いんだよ…
「俺のために?」
「そ、そうですよ?」
なんかいいな… このハルヒ…
優しい、可愛い… 最高だよ…
「いいよ」
「あ、ありがとぅ」
なんか朝比奈さんと喋ってる気持ちになってきた…
そしてクラスの連中の7割がこちらを見ている…
見るな… 見るな…
なんだよ… 殺気も感じる…
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そしてお昼の時間。
「キョン君、ついてきて…」
「あぁ」
向かった先は屋上。
昼飯時の人気スポットなのに誰もいない…
「誰もいませんね…」
「貸し切り状態だな」
「食べましょうか」
「そうだな、腹減ったよ」
「「いただきます」」
それはそれは見事なお弁当であった。
色とりどりのおかず、色とりどりのふりかけ。
それにとても旨い。
「よかったー お口に合うようで」
「涼宮」
「なんですか?」
「ハルヒってよんでもいいか?」
これじゃないとこっちが狂う…
「ほ、本気ですか!?」
「本気だよ、ハルヒ」
なぜだかハルヒは頬を赤くしてる。
「じゃぁあたしからは質問してもいいですか?」
「なんだ?」
「…キョン君のタイプって、どんな人ですか?」
そうか。
ここから元に戻せばいいのか。
「俺のタイプはいつも元気で俺を引っ張ってくれるような人だ」
もとのハルヒのような。
ハルヒはなぜだか悲しそうな顔をしている。
「だけどな」
こっからは本音だ
「ハルヒの事が俺は好きだぞ?」
ハルヒは驚いたような表情でこちらを見ている。
「好みのタイプなんて関係ない、ただの俺の好みでしかない。 俺はハルヒ自身が好きだ」
「キョン君…」
「いつもありがとうな、俺は言葉に出来ない程感謝してる」
ハルヒは片手で涙を拭いながら
「キョン君… ありがとう… 一人でいたあたしにあなたは唯一手を差し延べてくれた…」
ほぅそんな設定なのか
「あたしもキョン君の事が好き、自分からは告白する勇気が無かったから…」
俺は弁当を置いてハルヒを抱き寄せた。
なんだこの感じは…
「ぅ… んずぅ… うぅ… キョン君… ぁぁ… ぅぅ…」
「ほら泣くなよ、お前は俺が一生ささえてやる、だから心配するな」
「あたし… キョン君には何もお礼が出来ない… ぅぅ… んぐぅ… ごめんなさい…」
「いいって! ハルヒはハルヒらしくいればいいんだ!」
「でも… でもぉ… ぅぁぁん…」
俺はハルヒをより一層強く抱き締めた。
「もうなくなよ… こっちまで泣きたくなるだろ…」
「ごめん… ごめん… ごめん…」
どのくらいの時間が経っただろう。
既に昼飯の時間は過ぎたはずだ。
だが俺とハルヒは青空を見上げていた。
「なんか清々しいな…」
「そうですね…」
「眠くなってきたな…」
「お疲れなんじゃないですか? 時間になったら起こしますのでゆっくりおやすみください」
「ありがとな」
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ん? なんだ… 起きてしまったな…
ここは… 自宅の俺の部屋のベット?
まさか夢オチとかないよな…?
そんなんだったら泣くぜ?
時刻はAM5;30
おやすみ
「キョン君ー 朝だよー?」
あれ、ハルヒ?
「キョン君〜?」
あっ時間かわざわざおこしてくれたのか。
グハッ 重い…
目を開けると俺の上には妹が。
やはり夢か…
行きたくも無い学校に行くことにした。
色々と話したい奴もいるしな…
教室に到着
まっさきにとんできたのはハルヒ。
「おそかったじゃないキョン!」
直ってる…
「あぁおはよう…」
「何よ元気ないわね…」
「色々と変な夢を見てな…」
「どんな夢?」
「言いたくない…」
夢の中のハルヒが恋しい…
「じゃあこんなのはどうよ?」
「なにがだ?」
またどうせろくでも無いことを言うのであろう。
もう慣れた。
やっぱりこっちのハルヒの方が接しやすい
いつものハルヒが一番だ。
まぁちょっとは優しいとこ見してくれると嬉しいんだが…
で、なにがいいたいんだ?
ハルヒ?
ハルヒはとても嬉しそうな顔で
「おはようございます、キョン君」