意味の無い文 11/29(水曜)




はてさて、今日は特別な日

ん? 何があるかって?

フェンの誕生日だよ。

今からハルヒと一緒にフェンの家へ向かうところだ。

ハルヒは鼻歌をしながら俺の隣りで歩いている。
片手に何かもちながら


「そのビニール袋の中身はなんだ?」と聞いてみる

ハルヒは鼻歌をやめて

「あ、コレ? 鍋の材料よ♪」

鍋? はて、そんな予定は無かった気が…

「いいじゃない!サプライズよ、サプライズ!」

そうかい。 まぁ夜飯を食ってない俺的には超楽しみだがな。

フェンの家に到着。

ハルヒがチャイムを押した

『はいはい?』

「私よ、来て上げたわ」

『あぁ、そういえば、そうだったな。上がってくれ』




「いらっしゃい」と妙なテンションのフェン。

ハルヒは遠慮というものを知らない…  づかづかと上がる。

「おいおい、スリッパぐらい履いていけよ」と焦るフェン

「いいわよ別に、それより会場はどこ?」

会場って… ココなんだが…

フェンが「まぁとりあえず二階行け、ハルヒ、その袋に何が入ってるんだ?」


「いろいろよ、フェンは鍋持ってきて」

「鍋すんのかよ!」

まぁ驚くよな、フェンの行動は正しい。

「誕生日といえば鍋でしょ!」

そしてハルヒの発言はどこかおかしい…


「上がるぞ」 と一様言っとく俺。



二階について

ハルヒが「なんか汚いわね…」と不満気な顔で

まぁ… なんか机の上には教科書とノートが散らばっている…

「まぁいいわ、さって準備するからキョンも手伝って!」

「切ったりしてあるのか?」

「あったり前よ! 出すだけよ」



周りを見渡すと色々置いてある…

9月で止まっているカレンダー、ガンプラ、オーディオ などなど

「鍋もってきたぞ〜」てフェンが

「ご苦労様、さっ鍋大会はじめましょ!」

すでにフェンの誕生日会では無くなっている事に気付く俺

しかしそのご本人フェンは「いぇーい!」とか言ってハイテンションになっている。

鍋大会… か…  そういえば腹減ったな…


ハルヒが坦々と鍋に具を入れていく。

しっているだろうか?

鍋をやる上での掟というものを。

一つ、肉は自分で育てろ。
二つ、横取り禁止。
三つ、最初に全てを仕切り出した者が全ての決定権を持つ。

既にハルヒは決定権を獲得している…  不覚…

ハルヒは菜箸を使い綺麗に具を並べている。

フェンは今か今かと箸を回している。

俺はフェンの部屋にある漫画をパラパラとめくっている。



突然ハルヒが

「キョン、どっかにHな本があるから探して」と

フェンは「ないっつーの」と言っている

「いや、あるわ!無いほうがおかしいわ!」

無いほうがおかしいと言う事は同意しておくが、フェンは男といっても、まだ中学生だ。
 まだ手を出すには早いだろう…

「よくわかってるじゃないか、キョン」とニヤケ面のフェン

「そうかな…?」とつまんなそうなハルヒ。



グツグツと鍋の煮る音が響く。

「そろそろいいかしら?」とハルヒ

「おぉ、もういいのか?」とガキのようなフェン

「うんっ!じゃんじゃん食べなさいよ!今日はあんたが主役なんだから!」

ほぅ、さすがのハルヒもフェンの誕生日という事は忘れていないようだ。

「肉っ!イッキマース」とア○ロみたいな口調のフェン

とりあえずフェンが主役なのでまだ食わない事にしよう。

「いただきまっす!」と楽しそうなフェン。

「おいしい?」と聞くハルヒ

「うんっ、美味いよ!」

ふっ、なんだか姉弟のように見える…

「ちょっとキョン、なんでニヤケてるのよ?」と俺を睨みつけるハルヒ

「いや、なんだか…な…」

「何よ?」

「姉弟みたいに見えてな…」

「まぁね… フェンはけっこうちっさいしね…」

「ちっちゃい言うな!」とフェン

「まぁいいじゃない♪ほらキョンも食べなさいよ!」

「あぁそうだな、いただきます」

俺は肉を鍋に入れて二人の様子を見ながら待つ事に。


「だー!ハルヒ!それ俺の!」とフェン

「うっさい! 食ったもの勝ちよ!」と肉をタレにつけたハルヒ

「かっえっせ!」

口に肉を入れてハルヒ…

フェンを足で押さえ付けながら…  大人気ないぞ…

「うわっ!食いやがった!」

「♪〜」

うん、確信した。 こいつは鍋大会をしにきたようだ。


俺はそろそろだと思い鍋から肉をすくい上げる事に。

「あれ?俺の肉知らない?」

誰も反応しない。 なぜか?

ハルヒの箸には再び肉が挟まっているからだ。

「ハルヒ… それって…」

「多分あんたの」

「返せよ!」

ハルヒは肉を口に入れた。

「うぉい!」

「いただきー」と楽しそうなハルヒ。

隣りでフェンはまた肉を育てている。


うん再び確信。
こいつは肉を食いにきた。


野菜も、もしゃもしゃと食べるフェン、密かにベジタリアンだ。

ハルヒも野菜を食っている。 肉主体だがな…




その後も肉の取り合い。

勝者はもちろんハルヒ。
容赦と遠慮を知らない…

フェンは何気に楽しんでいるようだ。  よかったな。





鍋もすっかり空っぽになったころにハルヒがケーキを出して来た。

「おぉー!買ってきてくれたのか!」と目を輝かせるフェン。

「あったり前よっ!いつも頑張ってるしね♪」

「サンキューッ!」

部屋の電気を消してロウソクに火をつけ。

ハッピバースディトゥーユー♪ハッピバースディ以下省略  を歌い、フェンが火を消し
た。

「おめでとう!フェン!」とハルヒ

「やっと15歳か… おめでとう」 といちよう祝う俺

「二人ともありがとうなっ!」

「ケーキ食べましょ!」と言って八つにケーキが切られた。

皿にケーキが移った瞬間に食べだしたフェン。

「うぉっ、甘っ、うまっ」とフェン

「キョンも食べなさいよ」と俺の皿にケーキが移った。


うん、甘い。



フェンは二つ食ってリタイア。
俺も二つでリタイア。
ハルヒは坦々と三つ目クリア。

「もう食べれないの?」と余裕そうなハルヒ。

あんだけ肉を食って何処にケーキが入るんだよ…

「うーん、第二の胃?」と笑って

牛かよっ!




さて、ハルヒの持ってきた袋の中にはまだ色々入っていた。

遊び道具からゲーム、シャンパン?いやワインっぽいな… 後ー… ぇっ

「なぁハルヒ? もしかして泊まっていく気なのか?」

「そうだけど?」

「初耳だぞ…」と驚いたような表情のフェン。

「キョンは?泊まらないの?」

「いや別に泊まってもいいが…、フェンはいいのか?」

「別にいいよ、ってか大歓迎!」

「そうか…、じゃあ後で着替えを取りに帰ってくる」





さてその後は、ゲームしたりトランプしたりとどんちゃ騒ぎしてワインを開けたハルヒ。

「アルコール飲むのか?」

「今日は特別よ!」

「俺は… 遠慮しとく…」とフェン

「何言ってんのよ!あんたが主役じゃない!」

「えっ… でも…」

「いいのよ、ちょっとぐらい!」

「まぁ… ちょっとならいいかな…?」

「ほら、飲みなさい」とワインの入ったグラスをフェンに渡す。

ゴクゴクと飲むフェン。






さてその後の話。

ハルヒは少しだけ飲んで風呂場に向かった。

フェンは頭を抱えていたがっている。

「おぃ、大丈夫…か…?」

「頭痛い…」

「服取りにいってくるけど、いいか?」

「あぁ、またなっ」

「おぅ、いってくる…」




そう言って俺はフェンの家から出て自宅へと服を取りに行った。







でまた戻ってきた。

「おじゃましまっす」

ハルヒが二階から降りてきた

「おかえり、キョン」

「フェンは?」

「今風呂入ってるわ」

「そうか」

「ちょっと早く二階に来て、用意しなきゃ」

「?何をだ?」

「プレゼントッ!」と小声で。

「あぁそうだったな」

とりあえず二階に行って話た結果、布団の中に仕込むという意味不明な作戦にした。



フェンが風呂場から出て二階に上がってきた。

「キョーン、次いいぞ」

「あぁ、じゃあ借りるぞ」

俺はいそいで済ませようとし、なるべく早く出た。




再び二階へ。

扉を開けるとほのぼのとした光景が映った。

フェンはベットの上にねっ転がってすでに寝ている。

ハルヒはフェンの頭をゆっくりと撫でている。

「寝たのか?」

「そうみたい、はしゃぎすぎたのよ、きっと」

俺はニシシと笑った

「な、なによ…」

「いや、本当の姉弟みたいに見えてな」

「そう? まぁこんな奴なら弟でもいいわね」

「そうかっ、プレゼントは気付いたのか?」

「うんっ、すっごい喜んでたわよ」と笑いながらハルヒが

「そうか、それはよかった」

「私たちも寝る?」

「そうだな、疲れたし」

う〜む、しかし寝る場所がわからない…

ハルヒはフェンの入ってるベットの中に。

「そこで寝るのか?」

「ここしかないじゃない、それにこのベット、結構大きいし、キョンも入りなさいよ」

「そうだな」

俺はフェンを挟んでハルヒと反対側に。

「なんか、こうしてみると子供がいる見たいね」

突然何をいいだす…

「い、いいじゃない別に…」

「考えるだけ無駄だと思うぞ?」

「なによそれっ!いつか私だって子供ぐらい欲しいわよ!」

「静にしろよ、こいつが起きるぞ?」

「あっ、ごめん」













だがな、今日は楽しかった。

一夜を共に過しただけでこいつらの事がよくわかった。

これからもよろしくな。



ハルヒよ、フェンよ。