It had hidden-始まり-


「じ、じゃぁな」
「ふん、勝手に帰れば?」

そんな帰り道の別れめ。
俺とハルヒは互いの家へ帰ろうとしていた。
しかしハルヒは超不機嫌だった。

本日、授業は特に問題が無かった。
問題があったのは部活。

突然ハルヒが
『今から書道部行くわよ!』
などと言い出すから理由を聞いてみると。
『書道部に行って道具借りるだけよ!』
などと、いやそうではなく なぜ借りるのか。
『はぁ?一つしかないじゃない!書初めよ!』



そしてハルヒと俺が書道部まで。
本当は朝比奈さんも行くはずだったがさすがに退部した身なので行きたくないようだ。
まぁその気持ちはわかりますよ。





書道部は道具を予想外にすぐ貸してくれた。
『めんどうがなくてよかったわよ』
お前の近くにいるだけで面倒が…


そして部室で始まったのが
『第一回、SOS団! 今年の抱負書初め大会を行います!』
書初めに大会もくそも無いが…


まぁ俺が書いたのは
『自由平和』
平凡だがこの言葉には地上から宇宙にわたるまでの意味が込められているんだからな?
『うわぁ… つまんない男…』
誰のせいなんだ…

そんなハルヒは
『世界征服』

ハルヒならやりかねない。
むしろやられたら困る。
絶対王政とかやりそうだしな…



まぁ今日の部活は何気に楽しかったんだがな。
その後も墨を使いジャンケンで負けた人の顔に落書きし放題とゆう罰があたえられた。
無論、ジャンケンで負けたのは俺…
八戦六敗という最悪な結果…
後、ハルヒと朝比奈さんが一回ずつ負けた。
もちろん水性なため帰り際に顔を流した。
すこーしだけ跡が残っているがな。

あ… 後… 信じられないハプニングが… あったんだが…
実は俺が朝比奈さんに落書きされてる時。
恐る恐る落書きする朝比奈さんをどうにかしようとハルヒが
『みくるちゃん! 後ろに霊が!』
などというから朝比奈さんは、俺に飛び付き…
その勢いで俺の頬に… き、きす…を…

うぁぁぁ恥ずかしっ!

『ち…ちょっと…?キョン…? あんた何してんのよ…?』
『今のは! 違う! 絶対違う!』
自分で何が違うのかよくわからないのが現状だったが。
朝比奈さんは目が震えていた。
『あわわわっ! す、すす、すいませんキョン君!!!』
必死に謝る朝比奈さんより殺気を放つハルヒにしか目が合わなかった。
目をつむった瞬間、間合いを詰められ殺される気がした。
『キョン』
『な、なんだ…?』
『死ぬ?』

一気に後退りした。
普通に殺される気がしてしょうがなかった。

『キョン、今どんな気持ち? 死ぬ前って、どんな事考えるの?』

目が真剣だった…
思い出すだけで肩が震える…

『涼宮ハルヒ、待って』
我が救世主、長門がハルヒの前に立ちふさがった。
あぁ… やはりこいつは俺の正義だ… などと考えたのは束の間。

『殺すのは良くない』
『有希、どいて。 そいつは切り刻んで可燃ゴミに捨てるのよ』

俺は本当に怯えていた。人って可燃ゴミなのか?
パイプ椅子にすかした野郎が笑いながら座っていたのだがもう眼中になかった。

『それよりも何か罰を与えた方がよい』

長門? 助けてくれないのか?

『それどういう意味?』
カッターナイフ右手のハルヒが止まった。
長門がハルヒに耳打ちしはじめた。
するとハルヒの顔が怒りからニヤけへ変わっていった…
『有希、ナイスアイデアね』
『ハルヒ…? なぁ誤解すんなよ?』
『あんたと話す時間なんて存在しないわ』
軽く傷付いた。
『謝る、謝るから! すまんハルヒ!』
『有希、どんなのがいいかな!?』
無視された… キツいな…




で、帰り道にいたるわけだ。

「はぁーーーー!!!」
ハルヒに聞こえるぐらい大声で溜息をついてやった。
しかしハルヒは背を向けたまま歩いていた。
ふざけ半分で
「彼女ほしいなぁぁぁ!!!」
大声で叫んだ。

するたハルヒはピタッと足が止まった。
しかし約束0,8秒のことでまた歩きだした。

無念… 我が人生哀れなり。

いつも沢山喋ってる奴にいきなり無視されまくったりしたら悲しいよな。
まったく… キツいよな…








帰宅して再び考えてみた。
ハルヒが俺を殺したいほど怒る=閉鎖空間?
す、すまん… 古泉

ハルヒにメールを送ろう… 少しでも気分が取れればいいが。

『ハルヒ、今度さ、昼飯奢ってやるよ』
いかにも謝罪半分なのがわかるな…
半分? なんだ? 他の半分はなんだ?

まぁいいか、送信っと。

「キョンくーん、ご飯だってー」
「わかった」




『♪〜 ♪♪♪〜』

おっ、早速きたか。

『うざいからもう電話もメールもしないで』


振られた感じが…
ごめん… かなりきつい…

『本当にすまん! 違うんだよ!』











言いたくないけど。
メールは返ってこなかった…

ゆっくり飯を食っていた。
ぁー もう… 落ち込むんだよなぁ…


「キョン、ちょっと大切な話があるわ」
いきなり母親が切り出した。
ただいまダークブルーな俺はロクな返事が出来ません…
「なんだよ」
「ひ、、、






さて… 俺の人生って…なんだ?
勝手に人に振り回されて。
自分の意見を尊重できない。

いい思い出が欲しいよな。