Happy Birthday Fen
あー、今日は我等が管理人フェン氏の誕生会にご来店いただきありがとうございます。
別段珍しいこと、不思議な事があるわけではないですが。
楽しい一日であることは否定できません。
若人よ、楽しみたもう。そして俺にその若さを分けてくれ!
そんなわけで、「涼宮ハルヒとフェン」。はーじまーるよー!
「涼宮ハルヒとフェン」
今日はあいつ、フェンの誕生日。
フェンっていうのはキョンとあたしの共通の友達で、簡単に言うとしゃて・・・じゃなくて弟みたいな存在。
今年で15歳なのかな?
実は今日はあいつのパーティーを開く事にしてる。
キョンもさすがに今日は乗り気。
ほんとは学校内に連れてくるのはまずいんだろうけどそんなこと知ったこっちゃないわ。
その点はキョンが抜かりなくなんとかしてくれそうな予感!
「ねー、有希とみくるちゃんと古泉くんは?」
「んん、もう帰ったぞ。ていうかお前もなんか準備しろよ。」
「団長が準備してどうするのよ、あたしは気持ちで祝うんだからあんたが精一杯準備して祝う。これが今日のモットーよ。」
また、適当なこと言ってサボる気か。
まぁ今日くらいはいいか。なにしろ大切な日だ。
年に一度のイベントだからな!
「いいわね、その飾り。自分で作ったの?」
「いや、妹に手伝ってもらった。」
「そうよね、キョンにそんなセンスあるわけないし。」
失敬なやつだな。これでも二割くらいは自分で作ったんだぞ。
部室の外ではフェンが待機している。
先生に見つかったらまずいが、こんな旧校舎までこないだろうと仮定している。
様々な飾りのつけられた部室はまるでパーティー会場のようだ。
赤、青、緑、中には金なんて色もある。
・・付けすぎたか?
「お〜い、まだ入っちゃだめなのか?」
外でフェンが不満を漏らしている。
そりゃそうだ、もう11月。廊下といえど寒さは過酷な季節だからな。
そろそろ入れてやるか。
ハルヒのほうを見ると頷いている。
それじゃ。
「いいぞー、入ってくれ。」
がちゃり、とドアが開きそして。
「おおー!なにここ!ていうかなにあの飾り!色多っ!!」
妙にはしゃぎまくりだ。
色より俺はお前のテンションが気になる。
挙動不審なフェンをとりあえず座らせる。
何故かハルヒが誕生日席に座っているがまぁいいだろう、目を瞑ってやる。
「さぁ!誕生日会よ!さて、フェン誕生日といえば?」
「えーと・・・、ケーキ?」
「ご名答!!そんなわけであんたにはもったいないくらいのスペシャルケーキを用意したわ!」
パチン!と指を鳴らすと、部室の入り口のドアが開かれる。
そして・・・。
「え・・・?」
俺とフェンは同時に呟いていた。
誰かは知らんがエプロン姿の人が数人なにやらでかい包みを台車に乗せて運んできた。
ケーキじゃないよな、まさか。
なにしろそれは一メートルは軽く超えるくらいのでかさだった。
これがケーキだったら俺はお前をほんとに凄い奴だと再認識・・・
「さぁ!見て頂戴!あたしの作品を!!!」
ばぁっ!とかぶせられた布が取り払われ・・・中から出てきたのは。
まさにウェディングケーキのような巨大なケーキ。
正直に言おう、これは本気で凄い。
一体全体お前はどこでこんなものを・・・。
「凄いでしょ?これ作るのに一週間以上かかったんだからね。」
素晴らしい気の入れようである。
さすがハルヒ、やってくれることが一味違う。
伊達に俺に飾り付けを任せてないな。
これなら俺も納得がいく。
「ふふふ、だけどこれはほんの序の口よ。」
「なに!?」
1,2,3などとハルヒが呟き始めた。
何が始まるんだ。
「さぁ!ハッピバースデイフェン!!!」
その一言と共に。
ケーキが、ウェディングケーキが。
爆発した。
「・・・・・・・?」
爆発というか真っ二つに割れたのだ。
そして・・・そこには普通のワンホールのケーキをもった妹がいた。
ハルヒ、この状況を詳しく説明してくれないか。
「凄いでしょう!?さっきのは登場用のケーキ!そして、これがほんとのケーキよフェン。」
妹がとてて、っと走りながらフェンの目の前に来て。
「はい!フェンくんお誕生日おめでとう!!」
満面の笑み。
まぁこいつの笑顔は見慣れているが、ハルヒまで得意そうな顔だ。
「あ、ありがとう。」
まぁそうだよな、あれだけ凄いものを登場用として使うハルヒの神経というか脳は確実に蝕まれている。
登場用に一週間?
お前、どんだけ暇なんだよ。
「でも、やぱっぱり俺のために作ってくれたんだし嬉しいな。」
「そうだな、まぁ俺からは・・・この部屋の飾りで満足してくれ。」
「はは、キョンにはあんまり期待してないしね。」
失礼だな、だが今日は無礼講だ。
その後、ハッピーバースデイの歌。
そしてケーキのロウソクを吹き消し。
照れ顔のフェンをからかいつつ、俺たちはケーキを食べて楽しんだ。
「この部分、凄く甘いぞ。」
「それはな、ハルヒのデレの部分が・・・。」
「キョ〜ン?」
「砂糖だ、砂糖たっぷりなんだ。」
いい感じにこみかめに血管の浮き出たハルヒににらまれ俺は持論を崩す。
なんでこんなに慌ててるんだ。
「さぁ、そろそろ今日のメインイベントよ!」
「なんだ?」
じゃーん、とハルヒが取り出したもの。
お前・・・。
「お前、それは学校内ではやばいだろ。」
「いいじゃない、一杯くらい。」
「だめだだめだ、停学どころか退学になっちまうぞ。」
ちぇっ、と本気で残念そうにするハルヒ。
いくらなんでも未成年が学校でのめるとおもってんのか。
「それじゃ、プレゼントは家についてからあけてよね。」
「まぁ、しょぼいもんだが気持ちってことで。」
「おう!今日はありがとな二人とも。来年も期待してるよ!」
ちゃっかり来年に期待かけてやがる。
さて、フェンは帰った。
しかし・・・だ!
「お前、この部室どうする気だ?」
登場用のケーキの甘ったるい匂いが漂う部室で、俺は呆然と立ち尽くした。
まぁ多分こいつのことだから・・・・。
「じゃ、後片付けよろしく!」
そうなると思ってました。
しぶしぶ、後片付けを始め雑巾やらほうきやらで少しずつ綺麗にしていく。
もし先生とか来たらたまらんな。
「あら・・・もうこんな時間よキョン。」
「だったら手伝ってくれよ。」
そのまま顔をそらすハルヒ。
こいつはほんとに何もしない気か。
まぁしょうがないな、いつものことか・・・。
「そろそろいいわね、じゃ帰りましょ。」
「はいよ。」
外はもう大分暗い。
フェンの誕生日だが、一部を除けば大成功・・・かね?
あの演出には参ったよ、さすがハルヒだ。
「でしょ?よかったわ、これでフェンも満足したわよね。」
「そうだな。」
夜道を歩く俺たちを後押しするように風が吹き抜けた。
ふと、腕に何かを感じた。
「ハルヒ?」
「さ、寒いからちょっと温まらせてもらってるだけよ!」
まぁかまわんが、もうちょっと素直になれよな。
腕にぴったりとくっつくハルヒは、そうだな。
神様、というよりも。
女神って感じの笑顔だった。
それだけは俺の心の中でしばらく離れなかった。
後書き
なにこの短い作品は。
しかもさっきHP行ったらなんか誕生日ネタで被っちゃってる!
でも折角書いたので差し上げます。
あ、途中で妹が消えますが適当に帰ったと思っておいてください。
もう最近の俺はダメダメだぜ・・・。
それでは、誕生日おめでとう。
By Refe