クリスマストーリー 12/25


カチカチカチカチ…
カチカチッ… カチチチ…
カチッ…

さて、カとチじゃ何も伝わらないだろうに。
ただ今ゲーム中だ。しかもBOSS戦。
ベリーハードだけあってなかなか倒せない…
『グワァッ!』

さて、既に8回もゲームオーバーしたわけなんだが諦めず挑んでいる。
諦めるなマイキャラよ。
いづれか勝利が掴めるはずだからな。

『ブーブーブー…』
一瞬なんか裏技でも使ったかと思うような音なんだが正体は携帯のバイブレター。
誰だよまったく… 今大変なんだよ…

予想出来ていた人物からだった。
「ハルヒか…」

電話ではなくメール。
まぁこんな電子の集まりが手紙を運ぶだけでとんでもない事なんだがな…
毎度毎度困る事態が起るのはハルヒからの電話かメールによって。
もう慣れた… なんてセリフを吐けば人として終わりだ。
俺にだって学習能力がある。
また何かする気なんだろ?
次はなんだ? 山登りか? スカイダイビングか?

『今日暇なら電話ちょうだい』

暇だけど…
どうしようかなぁ…
面倒に巻き込まれるのは御免だ。
でも多分ハルヒの事だから何言っても却下なんだろうな。

まぁいっか、どうせ暇なんだから。

『トゥルルル、ガチャッ』
早いな、ワンコールか…
「なにする予定なんだ?ハルヒ」
『先に暇か暇じゃないかだけ言って』
「暇だが?」

今日暇な奴はよっぽどのアホだ。
むしろ自分でも悲しくなってくる。
今日はクリスマス。

街に出てもカップルだらけ…
一人で歩く方が恥ずかしい状態だ。
『今日、わたしと過ごさない…?』
神様も理解に数時間かかるだろうに。
「今なんて…?」
『一緒にクリスマス過ごさないかって聞いてんの!』
「本気か?」
『本気だけど?』
また突然だな・・・ 何の描写もなくこれか。
「SOS団でか? 二人でか?」
『二人じゃ・・・いや・・・?』
なんか可愛らしいハルヒの声が返ってきた。
「おk、わかった、で、何するつもりなんだ?」
『クリスマスでしょ? もう一つに決まってるじゃない』
その一つがわからなんだよ。
エジプトに行った探険家だってそんなの知るはずが無い。
『ん〜、まぁいいわ、今日午後5時に駅前ね! 遅れたら死刑!』
「罰金じゃないのか?」
『死刑よ! こんな大切な日に遅れてくるバカは探してもいないわ』
「とりあえずわかった、それじゃぁな」
『まって、今何してる?』
電話中だが、多分 今何してた のミス発言だろう
「BOSSと戦ってた」
『はぁー? 何よそれ?』
「ゲームだよ、ゲーム」
『あぁ、なるほどねー、今から行くから!』
「えっ、ちょい待て、何で来るんだよ?」
『いいじゃない別に! 今日は天下のクリスマスよ!?』
クリスマスだからといって俺の家に上がる意味がわからん
「で、なんのために?」
『あんた、どうせボス倒せないんでしょ?』
「あぁ、よくわかったな・・・」
『わたしが代わりにやってあげるわよ!』
「無理だな」
俺は苦笑しながら発言した。
『なめてもらったら困るわね、今すぐ行くから』

流れ的に”来る”という状況になってしまった。
家族もいるんだぞ? ハルヒ一人が来たら誤解される・・・
しかも本日聖夜にでかけるとしたらターゲットは絞られる・・・
まさに檻の中のネズミ   いや、意味ワカンナイ・・・

「その代わりにひとつ頼みがある」
『何?』
「下手な行動はしないでくれ」
『どうゆう意味?』
「俺とお前がカップルみたいな行動だけは止めてくれ」
『そんな事するはずないでしょー』
「ならいいんだが」
『じゃぁ行くわね』
「あぁ・・・」

まぁなんだ、そのー・・・


ポーズボタン押すの忘れてた。
画面には{GAME OVER}の文字が・・・
何回目だ・・・?













ピンポーン

ハルヒが来てしまった・・・
まぁ別に彼女でも無いし、そう気を使うこともないけど・・・
なんてゆーか・・・  ハルヒだから何するかわからない・・・

ガチャ

「おじゃましまーす」
「頼むから下手な行動だけは止めてくれよ?」
「わかってるわよ、そんな事」

ハルヒの服装は普段より力が入っていた。
今夜のためか?
「別に、普通よ」


靴を脱いでハルヒはゲームが置いてある部屋まで着いた。
「あら、お客さん?」
お袋に見つかってしまった・・・

「こんにちは、涼宮ハルヒです。 いつもキョン君にお世話になってます」
嘘つけッ・・・ しかも君ってなんだよ・・・ なんか新鮮な気もするが。
「こんにちは。 キョン、ちょっと」
ぁー、誤解している・・・ 100% この笑顔は150%だ・・・
しかもそれに対してハルヒも笑顔・・・ 居心地悪いな・・・

「で、なんだよ」
ハルヒに声が聞えない辺りで
「もしかしてあのかわいい子、彼女?」
「違うっつーの」
「嘘おっしゃい、涼宮さんだっけ? あんたも隅に置けない子ね」
「違う、ただの部活の友達だ」
「ふ〜ん」
それでも母親ですか? そのニタニタ顔止めてくださいよ。
だがやはりハルヒは”かわいい”方で見られるのか。
早速誤解を生んだな・・・ はぁー・・・



「キョン、ボスってどれ?」
「ぁー、そうだったな」

とりあえずBOSS戦前のムービーを飛ばそうと思ったがハルヒが止めた。
「これ、見たことあるかも」
「まぢか?」
「あっ、思い出した」

ハルヒはムービーを飛ばして戦闘に入った。
しかも見事なテクニックで攻撃をかわしていく。
そういえば操作方法教えてないのにな・・・ やっぱ知ってんのか?











まぁ見事にBOSSを倒したわけだが・・・
一発かよ・・・ あぁそうですか。 俺が雑魚かっただけなんですか。
「これに苦労してたの・・・? ただの雑魚キャラじゃない・・・」
BOSSをその辺の雑魚キャラにしないでください。

が、しかしこれで終わらなかった。

「そうね、わたし今あんたの願い叶えたわよね?」
俺の願いはそんなもんでは無いけどな。
「まぁそうゆう事かな?」
「じゃぁ次わたしの番ね」
さて、俺がいつこいつにBOSSを倒してくれと願ったのか?
そして、こいつの願いをなぜ俺が叶えなくちゃいけないのか?
不満が募るばかりである。

「そんな事言った覚えは無いが?」
「わたしの願いはね、んー、そうね」
「なんだよ・・・」
まぁ俺の出来る範囲ならいいけどさ
「今日はデートという事にして!」




はてさて、この銀河系の中には色々な星がある。
しかもその銀河系なんて宇宙のほんの一部。
だから銀河系はこの宇宙には何千個と存在するのだが。
その中に地球のような星だってあるかもしれない。
だから俺は宇宙人がいるかもしれないーなんて想像もしている。
もしかするとその未知の星では俺と同じ行動をしているやつだっているかもしれない。
お前はこの場合どうする? ドッペルゲンガーよ。

「えぇっとだな、それはどう取ればいいんだ?」
「こ、言葉通りに取ればいいのよ! デート・・・」
なんかハルヒの耳が真っ赤になっている。
「ハルヒ、もう一度だけ聞いてやる、なんて言った?」
「あんた、最低ね・・・」
「お前、本気なのか?」
「本気・・・ いやならいいけど・・・」
「別にいやってわけじゃないが・・・」
別にハルヒの事は好きだの嫌いだのとは思っていない。
ただ俺的美的ランキング(外形)ではトップを飾ってるわけなんだがー
中身はな・・・ 変えたら即行告白してやるよ。

「キョン君、お願い・・・」
なぜだか変な気分になった。
可愛いといっちゃ可愛い。  だがいつものハルヒを見失いそうだ・・・
「だめ・・・?」
そんな目で俺を見るな・・・ 
「そうだよね・・・ キョン君はわたしの事嫌いなんだもんね・・・」
「嫌いじゃないけど・・・」
うむ、可愛いぞ? このハルヒは本当に可愛い。
「一つ頼んでいいか?」
「なに?」
「少しそのままいてくれないか?」
「えっ・・・?」
一瞬元のハルヒに戻った・・・
「頼む、すこーしでいいんだ」
「い、いいけど・・・ あんたはさっきの方が好きなの?」
「好きとゆうか、なんか可愛い感じがした」
なぜかハルヒは顔を赤くしている。
「ま、まぁあんたの頼みなら聞いてあげなくもないけど?」
なんか青春を感じる。 まぁばかげた事言ってる俺も変だが
「そ、その代わりわたしの約束も守ってよ?」
「あぁ」










その後自分の部屋に戻って色々会話してみたんだがー。
ハルヒ、本当に可愛いぞ?
「キョン君? どうしたの?」
「いや、なんでもない」
ハルヒは不思議そうな顔をしている。
人間って少し変わるだけなのにこうも印象が違うのか。
「さっきから変だよ?」
お前の方が変だぞ? 顔真っ赤・・・
「うっうるさい・・・」







そんな変わり果てたハルヒに心を打たれた俺なんだがー。
「もういい・・・?」
「いやか?」
「いやじゃないけど・・・ 恥かしいのよ・・・」
「残念・・・」
「わかったわよ! やればいいんでしょ!?」
「ありがと」
「その代わり・・・  まぁこれは後ででいいわ」
さて、その代わりってなんだろうか・・・?




時間は夜になった。
そろそろ家を出ようと俺が言ったがハルヒは
「ねぇ・・・ デートなんだけどさ・・・」
「なんだ?」
「・・・やっぱりいいや・・・」
「言えよ、願いなら叶えてやるぞ?」
「いいの?」
「あぁ」
「て、手繋いでくれない・・・?」

以外だった。 手を繋ぐ事が。 ハルヒからその言葉が発せられることが。
「い、嫌ならいいけど!?」
「別にいいが? どうせデートなんだろ? その方が雰囲気でるんじゃないか?」
「そ、そうね・・・」
なんとゆうかー
性格戻ってますよ?
「やっぱりさっきの方がいい?」
「出来れば・・・」
「そっ、いいわよ?」





















外へ出た俺とハルヒ。
周りはクリスマスとゆう事もあってカップルだらけ。
ベタベタとうざったいやつらだな・・・
「な、なんか変な気分だよ、キョン君・・・」
「だな」
手を繋いでるとは言ってもカップルでもないのにこんな恋人ロードを歩く俺とハルヒ。
不自然度MAXだな・・・  おい、ソコ、何気にキスしてるんじゃない・・・
「恥かしくないのかしら・・・ あの人たち・・・」
「どうだろうな・・・ 二人だけの世界ってやつじゃないのか?」
「二人だけの世界かぁ・・・」

新鮮なハルヒはどうもギャップが強すぎた。
ほとんど上目遣い状態で俺を見てくる・・・
可愛いんだけど・・・
「ハルヒ」
「なに?」
「戻らないか?」
「なにが?」
「性格」
「どうして? 飽きたの?」
「なんかいつものハルヒじゃないから変な気分だ・・・」
「ふーん、まぁいいけど」





さて、どうする?
「飯食いに行くか?」
「そうね、やっぱイタリアンかしら?」
「そうだな」

とりあえずイタリアンの店に入ってみた。
まぁ予想はしてたけど中はカップルだらけ・・・
あぁ、うっとおしい・・・ ベタベタするな・・・

「な、なんか場違いな気がしてきたんだけど・・・」
「一応デートだからいいだろ」
「そ、そうだけど・・・」

なんかハルヒの顔は不満気だった。
「やっぱりわたしたち、冷めたカップルみたいに他人からは見えない?」
「まぁそうかもな」
「なんかいやな感じ・・・」

しょうがないだろ・・・










注文した料理が届いた。

全部食い終わったと思ったらなんかカップル特別パフェってのが出てきた。
どうやらカップルで来店したらサービスのようだ。
一つしか無いって事はー・・・

「間接キスしなきゃいけないってことか・・・」
「わたしはいいけど?」
「まぢか・・・」

まぁ直接でもないんだしいいか・・・?

「ん、甘い」
食うの早ッ・・・
「ほらキョン、あーん」

待てよ・・・ あーん ってなんだよ・・・

「カップルでしょ!?」
「うっ・・・」

しょうがなく”あーん”することに・・・

「甘いな」

これでもう間接キスなんだよな・・・
もういいや・・・


「キョン?どうしたの?暗いわよ?」
「間接キスしちゃったなーって・・・」
「そんくらいいいじゃない。 わたしの事嫌いなの?」
「そうゆうわけじゃないんだが・・・」
「ねね、キョン」
「なんだ?」
「今っていいムードだと思う?」
「普通じゃないか?」
「じゃぁちょっと目瞑っててくれる?」
「?」

目を瞑ってやった。
ここからキスとゆう展開は無いだろう。
何する気だ?

「目開けていいわよ」

開けてみた。  前の席にはハルヒはおらず俺の隣まで移動していた。

「キョン! 最後のお願い!」
顔が近い・・・
しかもものすんごく赤いぞ・・・?
「最後のお願い?」
ハルヒは頷いた。
さて次はなんだ? 



「付き合って!」




ハルヒの顔は紅蓮に染まっていた。
顔が間近にあるせいかハルヒの吐息が当たる・・・
温かいって・・・ 生々しい・・・

しかしその目はじっと俺を見つめている。
まるで答えを待っているかのように。

実際俺はハルヒをどう思っている?
クラスメイト。 団長。 女性。
その位しか出てこない。


俺はハルヒの事が好きなのか?
今まで人を好きになることがほとんどなかった。
だから恋愛感情が出ていても気づかないのかもしれない。
だからってどうだ? 俺はハルヒの傍にいたいか?
確かにこいつといることは楽しい。
ずっと傍にいたいか? 死ぬまでこいつを守りたいか?
全てをこいつに預けられるのか?








だけど。
俺の答えは全てをこいつに預けられる。
ずっと傍にいたい。 死ぬまでこいつを守りたい。
俺は、ハルヒが好きだ。 正直に。
今までそうだった。 ハルヒがやることがあまり進んでやることでは無い。
だけど俺はやっていた。 全てハルヒの傍にいたいから。


「ハルヒ、俺のこと好きか?」
「ぅん、大好き」


ハルヒは俺の事が好きなんだ。
今までそんな事思ってなかった。
ただの雑用としか見ていない気がした。

「付き合ってやるよ」

ハルヒは一気に潤んだ目になりそのまま顔を近づけてきた・・・












もちろん店内で。
客や店員の視線が一気に集まった。
そりゃそうだ、数十秒間はその状態でい続けたからな。

こうして完全なカップルとなった俺とハルヒなんだが。
「手繋いでもいいわよね?」
さっきまで繋いでたのにそれか?
「体も寄り添っていいよね?」
どうぞ
「キョン、大好き・・・」


ハルヒの頭を撫でてやった。
サラサラとした髪でいい匂いがする。
手を離そうとしたがハルヒは
「もうちょっとやってくれない・・・? それ好きなの・・・」 と
まぁ別にいやじゃないからいいんだけどね。










家に帰ることにした俺とハルヒ。
家といっても俺の家。


「おじゃましまーす」

再び・・・

「あら、涼宮さん」
「こんばんは」
「どうぞ上がって上がって、ご飯はいい?」
「外で済ませましたのでどうぞ気にかけないでください」
「そう? お腹すいたら言ってね」
「はい」

やれやれ・・・


俺の部屋に入って第一にハルヒはベットについた。
俺は床に座りゴロンッとした。
「いいお母さんじゃない」
「そうか?」
「そうよ、幸せね、あんた」

他人から見ればそうなのか?
まぁいいけどさ。

「どうするんだ? もう9時回ってるぞ?」
外も結構暗い。
残念な事にホワイトクリスマスにはならなかった。
「今日泊まってもいい・・・?」

あのー、ハルヒさん。
付き合って早々その言葉ですか。
「じ、じゃぁ帰る・・・」
「いいぞ、泊まってけ」
「いいの?」
「一応確認とってく・・・ る・・・」
忘れてたー・・・ 親にはなんとも言ってないんだった・・・
ぁー、どうすっかなー。
「わたしの家にくる? その代わり泊まってって」
そっちの方がいいか。
俺は少しでもハルヒといたい。

とゆーことでハルヒの家へ。
外は寒い。もちろんだが・・・
まぁなんと言っても手は温かいんだがな。
さてさて、ハルヒの家か・・・ 行ったことないな・・・


「着いたわよ」

みるからのでかい家・・・
そうか・・・ お嬢様だったか・・・

「これがお前の家か・・・?」
「そうだけど?」
「大きいな・・・」
「普通よ普通」

これが普通なら俺の家はめっちゃ小さいね。
「まぁいいわ、上がりなさい」
「おじゃまします」

中身は普通の家と変わらない。
ハルヒの部屋はどうかしらんが。
「わたしの部屋? 見たい?」
「少し見たい気もする」

ガチャッ・・・

ハルヒの部屋だからもっとすごいかと思ったが普通の女の子の部屋だ。
てっきりプレ○ターやエイ○アンがいるかと思ったが・・・
「そんなのがいたら大問題よ・・・」
「確かにな」

とぼとぼ歩いて部屋を見渡す

カチャッ
なんの音かと思って振り向いたらハルヒが俺に向かってダイブしてきた。
そのままベット押し倒された。
「もしかして・・・ 鍵しめた?」
「そうよ?」
俺の体が完全にハルヒの体と密着している。
胸が当たってます・・・ 変な気分だ。
「こうやって自分の部屋で彼氏とイチャイチャしたかったんだー」
以外なハルヒの発言。
イチャイチャって・・・
「そのために俺を?」
「それもあるわね」
「ふーん」
「ねぇキョン・・・」
ハルヒは色気MAXな目で俺を見つめた。
始めてみるな・・・ そんな目・・・
「わたしが好きなのよね?」
「そ、そうだけど?」
「信じていいんだよね?」
「何が?」
「寝てる間に色々やらないこと・・・」
「無いな」
「それだけは嫌なの・・・」
「そうなのか?」
嫌もくそも知らんが・・・ まだそんな色々やる気は無い。
「今もこうしてるけど・・・ やるなんて気は無いからね?」
「まぁ俺は構わないがハルヒの自由にしろ」
「そのうち・・・ ね!」
唇同士の距離が0になった。

とんでもない・・・ 一日でバカップルみたいになってしまった。
まぁ嬉しいんだけどね。 こうしてハルヒといられる事が。
本当は今すぐにでもやってやろうかと思ったが・・・ 嘘だ冗談だ。

「キョン」
「なんだ?」
「愛してるからね」
「俺もだ」
「いつでもやっていいからね」

さっきと言ってる事が違う気が・・・

「うるさいなぁ・・・ 人がせっかく言ってあげてんのに・・・」
「いづれかな」
「そうね、そっちの方がいいわね」
ハルヒの笑顔は絶えなかった。
そんな顔をし続けて欲しい。





そして

「お風呂どうするー?」
「先入ってきていいぞ? 俺が入った後は嫌だろうに」
「嫌じゃないわよ? なんなら・・・ 一緒に・・・」
ハルヒの顔は真っ赤だった。
「い、いやならいいわよ!」
さて、今まで人生にこんなに悩んだ覚えは無い。
本音を言えばちょっと見たい。 何がだ? うるせぇよ。
だからと言ってミスればドーンでガーンでドシャーンだ。 さて、なんの効果音だ?

「お前の望みならいいけど・・・」
「な、なら入りましょ・・・」
完熟トマトのように真っ赤なハルヒの顔。
多分俺もそうだと思うけど・・・










浴場。
先に俺が入浴して待つことに。
家が広いだけあって風呂もでかい。 普通の銭湯みたいだ。
扉の向こうで薄っすら人の影が見える。
うむー・・・ 肌色・・・ 生々しい・・・
おっとタオルを巻いてるか? 白い物を着けている。
「は、はいるから・・・」
ガラガラガラ・・・

核搭載二足歩行戦車でも一瞬で蹴散らしそうな・・・
鼻血がでそうなんですけど・・・ ちょいときついな・・・
俺は鼻より下を湯に入れて目の前の光景を脳に焼き付けていた。 いや、変態じゃないから。

「何よ・・・」
「べふひ・・・」 口が湯の中に入っているため上手く喋れません。

顔真っ赤だぞハルヒ。
ザプーン・・・

緊張してきた・・・ なぁ・・・ ちょっと救急車用意しといてくれ・・・
多分近くに隕石が落ちてきても気づかないと思うからよろしく。

お互いに話しかけずに沈黙が流れていた。

「なんか話したら・・・?」
「ブクブクブク・・・」
もうすでに呼吸も必要ないのか目しか湯から出ていない。
「ちょっと大丈夫?」
もし今大丈夫なやつがいたら今すぐ電話してほしいね。
「キョン!?」
バサーンッ!

ハルヒがいきなり俺を抱きかかえた・・・
そりゃ良い判断だ・・・ もう俺今死にそうだったからね・・・
「大丈夫!? ちょっとキョン!?」
大丈夫、離して・・・ 当たってる・・・ ほんと許して心から謝る・・・
「もう・・・ 心配かけないでよ・・・」
「すまん・・・」
「どうしたのよ?」
「いや、その姿は反則だろ・・・」
「わたし?」
「そうだよ・・・」
「なんだ、キョンも色気攻撃とか効きそうね」
色気攻撃って・・・ てゆーか男なら誰でも効きます・・・
「なっ、なんだよ!?」
ハルヒはいきなり俺の傍まで寄ってきて寄り添った。
「いいじゃない」
「まぁいいんだが・・・」

よくないけどな、昇天5秒前。
「背中流そうか?」
「頼む・・・」

なぜだかハルヒより俺が完熟トマト状態な気がする・・・
いや、断定できる・・・










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風呂上り。
やっと天国のような地獄から抜け出した俺。
よく頑張った、よく耐えた、偉いぞ俺。

「キョンー、ケーキあるけどいる?」
「クリスマスケーキか?」
「まぁそうなんだけどね」
「じゃぁ頂こうかな」





見事に切り終わりパクパクとケーキを貰う。
うん、甘い。

それより
「太るぞハルヒ・・・」
既に三つ目を食中。
「いいのよ、その分動いてるから!」
そうかい。
まぁハルヒが太るなんてありえない事だけどな・・・
太っても再構成。 セコイな・・・













「で、俺はどこで寝ればいいんだ?」
時刻はAM1;40 ずっと遊んでいた俺とハルヒ。
「どうせ風呂も一緒に入ったんだし一緒に寝ない?」
どうもハルヒのニヤケ顔が気になる。
「俺が何もしない保障はないぞ?」
「信じてるし、キョンにそんな勇気ないわ」
一言多いいですよ。





布団に入った俺とハルヒ。
ぁー体温感じる生々しい・・・
「キョーン、お願いがあるんだけど」
「なんだ?」
「おやすみの・・・して・・・」
まぁハルヒは耳を赤くしていたんだが。
こんなハルヒも可愛いんだ。
「はいはい・・・」








「ありがと・・・ おやすみ、キョン」
「おやすみ」



さて、今思うと長い一日だったんだが。
まぁ思い出を作るならこのぐらい普通だろうに。
お前の気持ちは確かに受け取ったよ。
俺もお前が好きだからなハルヒ。
でもな。

「抱きついたら寝づらい・・・」
「いや・・・?」
そんな目で見るな・・・
「わかった・・・ すきにしろ」
「そっ」


やれやれ・・・だ。