Silent Christmas 12/3(日曜)




クリスマスシーズン
恋人たちが町をふら付き一緒に過ごす時間
雪が降ればいいムードだ、だが町の光の装飾だけでも十分だろう
しかし恋人がいなければ友人と無駄に会話をして悲しい一年が終わるだろう
学校中の男女が一気に恋人探しを始める。
谷口もソワソワとしている。

「なぁ谷口?」
「なんだよ、今忙しいんだ!」
「そんなに彼女欲しいのか?」
「っつ!」
「なんだよ・・・」
「お前はいいよな・・・ 涼宮がいるんだから・・・」
「別にハルヒは彼女でもなんでもないぞ・・・」
「嘘付け・・・  はぁ・・・ 羨ましいよ・・・」

いやいや、お前は何か誤解をしている。
俺はハルヒと付き合った覚えは無い。
それにこの話をハルヒの前の席でするのはおかしいとおもうが・・・

「でもキョンはクリスマスイブは誰かと過ごすの?」

どこからともなく国木田がやってきた。

「別に、クリスマスイブなんて俺的にはどうでもいいイベントなんだがな・・・」

そういうと谷口は俺を睨んで

「男としてどうかとおもうぞ? しかも、もう高校生なんだぞ?」
「知らん」

谷口は大きく溜息をついて席へ戻っていった。
国木田は

「谷口なんだか慌ててるようだね」
「彼女探しでもしてるんだろう?」
「きっとそうだろうね」
「国木田はクリスマスイブをどう過ごすんだ?」
「僕は知人たちで集まってパーティするんだよ」

俺も大きく溜息をついた
国木田は笑顔で席に戻っていった

俺はなんだかバカにされたような気分で机に頭を置いた。

本日は終業式
俺ら学生にとってなによりも嬉しい日である。
しかし一枚の紙切れでその後の休みは大きく左右する。




背中からブスブスとシャー芯がささる・・・
それけっこう痛いんだぞ? ハルヒ?
俺は振り向いて

「なんだよ・・・」
「さっきの話なんだけどさ、あんたクリスマスイブ誰とも過ごさないの?」
「あぁ、悪いか?」
「悲しい男ね」

うるせぇよ・・・
お前はどうなんだよ?

「あたし? あたしは・・・・」
「誰もいないんだろ?」
「うっ・・・・」

ハルヒがこんな性格じゃなかったら男どもがうじゃうじゃ付いてくるだろうに・・・
もしかしたら俺もその一人になってたかもしれないがな。

「性格なんてどうにでもなるわよ」
「お前の場合はどうかな?」
「そこで提案なんだけど」

話を切り替えるな・・・

「クリスマスイブを一緒に過ごさない?」

はっ? いまなんつった?

「だーかーら、一緒にすごさないかって聞いてんのよ」

まぢめに?

「そうよ、なんか悪いことでも言った?」

まさかハルヒからこんな事を言われるとは・・・

「何よ・・・ 嫌ならいいわよ」
「嫌じゃないけどな・・・ まさかハル、、、」
「じゃぁ24日の夜6時に駅前ね」

今日は、えーと22日?











担任から紙切れをもらった。


微妙・・・  ハルヒのおかげで上がったのだが微妙・・・
もう少しぐらい高いはずだろ? なぁ、オイ


後ろからハルヒが「どうだった?」と俺の肩らへんまで顔をもってきた。

ほんとに溜息しかでないよ・・・・ はぁ・・・


ハルヒはなんか納得いかない表情でこちらを睨みつける。

「あたしが教えてあげたのに・・・  たったこんだけしか上がってないの・・・?」

あぁ、その件に関しては学校に頼む。 俺じゃあお答えすることができない。
だがまぁ俺的にもハルヒに教えてもらったのにこんだけしか上がってないことには少し謝罪しておく。


で、ハルヒの番

「どうだった?」
「まっこんなもんか」

ハルヒは俺に自慢げに見せてきた
見る限りの5が大量にならんでやがる・・・
くそぅ・・・ いつも寝てるくせに・・・ テストでも半分ぐらいは時間は寝てるくせに・・・
こんなに苦労した俺がばかばかしくなってきた・・・

「あんたはあんた、あたしはあたしよ!」

まぁありがたい言葉として受け取っておこう。

「じゃあ約束守ってねっ!」
「約束・・・?」

約束なんてしてたっけ?
記憶を探れっ・・・ きっと何処かにあるはずだ・・・

「もしかして覚えてないの?」

覚えてないよ。 うん。  なんだっけ?

「内申の合計が負けたほうが負け」

イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ
そんな無謀な挑戦を俺がするわけないじゃないか・・・
相手は文武両道のハルヒ・・・ 負けることしか考えれないぞ?

「えっ、だってあんた約束したじゃない。 しかもあんたから」

俺から約束するなんて三十倍ぐらいありえない。
いったい何時の話だ?

「えっとー SOS団でこの前パーティしたじゃない?」
「あぁ、そういえばしたな」

このパーティとゆうものは何故かハルヒが一日前に決めて長門との家で行ったものだ。

「そん時にあんたがあたしに向かって」

『おい、ハルヒ。 今度の通知表で買ったほうが相手を好きに出来るってことで勝負しないか?』

「って、言ってたわよ?」

おいおい、まったく記憶に無いぞ・・・?
確かあの時ってハルヒがー

「酒入ってなかったか!?」
「そういえばキョンは飲んでたかもね」

あぁやっぱりか・・・
確かジャンケンで負けた人がワインをがぶ飲みって話になって
見事俺が一発目で敗北した・・・
何気に記憶力のいい俺
だが約束した記憶はまったく無い・・・
酔ってたのか・・・? 

「まぁ約束は約束よ」

まぁ約束は約束、じゃねーよっ!
無効だ、無効

「何言ってんのよ! あんたからしてきたんだからね! 守らなかったら死刑だからね!」
「いーやーだ」

ハルヒの顔がどんどんと怒りに満ちていく
こ、ここ、怖いぞ・・・

「は〜ん、いいのよ〜別に〜 あんたが部室でみくるちゃんにあーんな事やこーんな事してるって皆に言っちゃうわよ?」

俺が何をしたって言うんだ・・・
あーんな事なんてしてない、こーんな事もしてない!

「じゃぁまずはアホの谷口からいこうかしら?」

こんな時でもアホ呼ばわりな谷口・・・ じゃなくて

「止めろ! んなことしたら俺は確実に全校男子生徒にリンチされる!」
「約束守るならいいわよ?」
「っく・・・」
「どーするのよ? さぁ」

どうする・・・ 俺・・・ 確かCMでは三枚のカードを持ってたはず・・・ なんとかカード
今もしカードがあるならば
『友情』
『約束』
『死亡』
の三択だ!
友情ってなにすればいいんだ!? なんか一番ましそうだが・・・
『死亡』を選んだら人生終わる・・・
『約束』・・・  これしかないのか・・・?

『力で黙らせる』っての無いか?オイ?
でもそんな事をしたらしたで『半殺しに会う』のカードも出現しそうだ・・・
どうすればいい!? 俺!?



「じゃあ後10秒以内ね 9、8、7」

短いな・・・
カード・・・  これにすっか・・・

「わかった・・・ 約束は守るよ・・・」
「よろしい」
「ところでハルヒ」
「なに?」
「その相手を好きにするって期限どれくらいなんだ?」
「永遠じゃないの? 特に何も言ってなかったし」


どうやら『約束』のカードにはシールが貼ってあったらしい
ペリペリめくった下には『奴隷』とゆうカードが出現した・・・

「おい、まてよ・・・ それはさすがに無いだろ・・・」
「じゃあ、みくるちゃんと色々やってたこと話そっと」
「まて、わかった。 で俺は何をすればいいんだ? 出来る範囲だぞ?」
「そうね、とりあえずさっき話してた一緒にクリスマスイブを過ごすってのが一つね」

まぁそれくらいならいいんだがな・・・

「で二つ目が・・・ そうね、その日だけカップルやらない・・・?」

俺から出た言葉は

「はぁ?」

二文字+?

「な、なな、ならいいわよ・・・」

「好きに出来るんじゃなかったのか、まぁいいが」

口が滑った

「あっ、そういえばそうじゃん! じゃ一日カップルね」

なぜ・・・ 俺の口・・・ どうした・・・ こんなミスを・・・

「ところで、だ  なんでカップルになる必要があるんだ?」

ハルヒは少しだけ顔を赤くして

「だって・・・ カップルでも無いのに二人でクリスマスイブの夜の道を歩くのって・・・ 変じゃない・・・?」

確かに、
確かに変だが

「わかった? 24日夜6時に駅前よ?」
「わかったよ・・・」





























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時は過ぎて24日5時20分

俺はすでに20分はここにいる。 つまり5時から居るのだ。

多分ハルヒを待たせることになるとあいつはまたよからぬ事をいいはじめるだろうからな。
一日カップル・・・か・・・     まぁ一日ってところがあいつらしいがな。












5時40分
黄色いリボンを付けた女性はやってきた。

「あら?今日は早いじゃない」
「まぁな、これでも40分待ったんだぞ?」

ハルヒは驚いたような顔をして携帯を見た。

「てことはあんたもしかして5時からここにいるの!?」
「あぁ、そうだが?」
「バカじゃないの? さすがにそれはありえないわ」
「待たせるよりはましだろ? 今日だけは俺が彼氏役なんだからな」
「あ、そっか。  なら別に普通よね」

「ハルヒ、罰金だぞ?」
「はぁ? あんた彼氏でしょ? 彼女のご飯代ぐらい奢るのが当然でしょ?」

こいつ・・・

「じゃあ、約束使うわ、奢りなさい」

こいつ・・・

「なんでそんな怖い顔すんの?」

こいつ・・・

「ほら、とりあえず行くわよ」

多分、今ハンドガンでも持ってたら撃ってたかのしれない・・・
感情を抑えろ・・・ 俺・・・

「何よ? あたしと居て楽しくないの?」
「そりゃこの先俺が全部奢りだと決まっていれば楽しさは半減するさ」
「全部? 何言ってんのよ。 ご飯代だけよ?」
「へ?」
「そんなにお金払わせたらさすがに悪いわよ」

楽しさ38アップ ハルヒの意外さ93アップ 財布2000ぐらいダウン




とりあえず俺とハルヒはイタリアンのレストランに入って注文することにした。


「それにしてもすごいわね・・・」
「あ、あぁ・・・」

周りには超アツアツのカップルばかり
周りを気にしてください、周りを

「キョン」
「あん?」
「約束使うわ」
「次はなんだよ・・・」
「あたしの事を好きになって」














HA?


「いまなんつった・・・」
「二回も言わせないでよ・・・」ハルヒは顔が真っ赤だ・・・

「熱あるのか?」
「失礼ね、普通よ」
「ならもっかい聞く。  今なんつった?」
「はぁ・・・」とハルヒは溜息をついてから


「あたしの事を好きになって」





「それって今日一日だけだよな?」
「・・・」 ハルヒは小さく首を横に振る

「その頼みは永遠に効果があるのか?」
「・・・」 ハルヒは小さく頷く













「それは告白として受け取っていいのか?」
「・・・」 ハルヒはとても小さく頷いた




















「約束使ってんだろ? なら別にいいぜ? どうせ俺には拒否権ないんだろ?」

「そうだったわね」と満面の笑みのハルヒ